秋の七草で有名なキキョウですが、実は開花は6月頃から秋まで咲く花です。涼しさを演出するキキョウは星形のお花と、紙風船の様な蕾が可愛く膨らむ花。最近は青以外の品種や二重、八重咲きのものも出てきました。楽しいですね。
風にそよぐキキョウの花。特徴は?
キキョウ科キキョウ属の多年生草木です。
日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布しています。
草丈は50-100cm程度で、根が太く黄白色で漢方に利用されています。葉は一般には互生して先は尖っており、縁に鋸歯があります。
開花期時期は5月中旬~9月頃です。つぼみが徐々に緑から青紫にかわり裂けて星型の花を咲かせます。まず雄しべが成熟して花粉を出し(雄花期)、その後に雌しべが開き柱頭が受粉可能になります(雌花期)。これは他株からの受粉をし易くするための仕組みです。園芸品種には白色や桃色の花をつけるものや、草丈が低いもの、二重・八重咲きになる品種など多彩で、つぼみの状態のままほとんど開かない品種もあります。
現在花屋さんに並ぶものは、栽培されている初夏の早咲きの種が多く、本来の時期に自生で咲く姿はほとんど見られなくなってしまいました。絶滅危惧Ⅱ類(UV)に分類されているそうです。
■カインズ花図鑑 キキョウの育て方(約1分半)
CAINZ 様
漢方にも、食用にも!?
桔梗根(ききょうこん)を生薬として用いる場合は、根をそのまま干したものや、根の皮をむいてから干したものを用いるそうです。桔梗根は苦味があります。
キキョウの根はサポニン(オレアナン型トリテルペンサポニン)を多く含むことから生薬として利用されていますが、韓国ではこの根を食用にしています。
韓国では生のキキョウ(トラジ)の根に唐辛子、酢、砂糖、塩、などを和えて食べる事が多く、キムチやピビンパのナムルなどの食用とするそうです。
焼酎に漬け込んで薬用酒にする事もできます。
春の七草は全て美味しく食べられる山菜・山野草ですが、秋の七草は花を愛でるものらしく、食べられるのはキキョウとクズしかありません。ちなみに秋の七草のアサガオはキキョウの事なんです。花や若芽は天ぷらとしても食べられますよ。
育てて楽しみましょう
真夏日でも生育が衰えず-10℃でも影響を受けない丈夫な植物です。強い霜が発生するようであれば、上から腐葉土を厚めにかぶせましょう。
■【花】キキョウの育て方・植え付け(約6分弱)
花咲かじいさん 様
種まき時の注意
4月上旬頃までに種まき専用の土や粒の細かい赤玉土に種を蒔きます。蒔き終えたら、土薄くを被せ発芽するまで乾かさないようにサランラップなどを被せておく発芽を助けます。水をかける時は、下から水を吸わせるか多めに霧吹きすると種が流れません。 双葉が2枚出て本葉が4枚出たら、なるべく根に触らないように土ごと移して植え替えます。
植え付けの注意
根がゴボウのようにまっすぐ伸びるタイプの植物で植え替えを嫌います。その根を折ったり傷つけたりしない様に植えつけをします。
■アポイキキョウ
青花矮性品種。強健で栽培は容易。
■袋咲き小町
花が開ききらず、まるでホオズキのような袋咲きキキョウ。花色は鮮やかな紫色で、秋の山野を彩ります。高性種。
■多重咲きキキョウ
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