高山植物で実がジャムになる。ガンコウラン(岩高蘭)。

品種のご紹介

ハイマツ帯の林縁や高い山の風衝地、またミズゴケ湿原の中で隆起した所などに生育し、絨毯のように密に群落となることもあります。秋に黒光りをするジューシーな果実が出来ます。実は食べられ、ジャムやジュースにも加工できます。クラウベリーとも呼ばれています。

ガンコウランの特徴

ツツジ科ガンコウラン属の常緑小低木です。
日本では北海道および本州の中部以北に分布し、日当たりの良い高山の岩場やに自生しています。特に丈の低いハイマツ林の縁によく出現するそうです。釧路や根室地方では平均気温の低さから海岸地帯といった平地でも見かけます。

茎が地面を這ってよく分枝し、上部が斜上または直立します。密生してマット状になる。葉は互生して革質です。高さは10~25cmくらいになります。

花期は5-6月。高山に咲く花でも開花の時期が非常に早い様です。雄花・雌花とも葉腋に単生し、暗い紫色です。花弁・萼片とも3枚ずつあり、4枚の苞に包まれ、径5mmほどと小さく、めだちません。9月頃に径6-10mmの黒い球形の果実が出来ます。

基本種が北半球に広く分布しています。フィンランドでは、雌雄同株体で果実は大振りで沢山つく、北方クラウベリー(Empetrum Nigrum ssp. hermaphorditum)と、雌雄異株体で果実は小振りであまり沢山実らない、南方クラウベリー(E.Nigrum ssp. nigrum)があります。日本のクラウベリーは後者の変種(E. Nigrum var. japonicum)という位置づけになる様です。

* ssp = 亜種、var = 変種

実を収穫してみる

果実はビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富です。黒い色素はアントシアニジンで、その含有量はブルーベリーに匹敵し、その他にもリンゴンベリーに代表されるプロアントシアニジンも含まれています。生のまま菓子のトッピングやポリッジ、ミルクシェークなどに利用されたり、他のベリーと混ぜてジャムやゼリー、マーマレードにも利用出来ます。

収穫時期は7月後半から雪が降り始めるまでと長期です。春には越冬した果実を採る事も出来ます。

育て方

日当たりの良い場所に生育する植物であり、日陰や薄暗い場所には生育しません。過湿に注意し、風通しの良い場所で育て、夏の西日は寒冷紗などでさえぎります。

■バーンスタイン
西洋ガンコウランの黄金葉品種
周年常緑の葉は春夏は爽やかなライム色、秋冬は鮮やかなオレンジ色に紅葉して一年中楽しめる
耐寒性が強く、極寒冷地でも常緑で越冬する

コメント

タイトルとURLをコピーしました