食べるだけではない。ハーブや凝固剤。アンティチョーク(朝鮮薊)

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若いつぼみを食用とするアンティチョークは、なかなか野菜として中通していない植物です。日本各地で観る事ができるアザミ(アザミ属)と近縁種で紫~赤紫色の花が似ています。海外に目を移すと、昔から様々な利用法が有る様です。育てて、観賞して、収穫する楽しみもまた醍醐味でもあります。

アンティチョークの特徴

キク科チョウセンアザミ属の多年草で、地中海沿岸が原産です。
高さは1.5~2mくらいで、葉は他のチョウセンアザミ属の葉とちがい棘が有りません。大きさは 50~80cmに達します。

春、気温が上がり始めたころからつぼみが立ち上がってきます。花びらはアザミのように細く、花色は青味がかった紫色で、直径10~15㎝と大きなサイズです。

野生のアザミから品種改良をして、今の姿になったと言われています。若い蕾は食用とされます。

利用方法

日本では観葉植物としての利用が多いですが、収穫して利用する場合は、花や蕾、葉も利用されています。

蕾を食べる

つぼみの基部の肉厚になっているところを食用とします。新鮮なものは生で食べる国もありますが、一般的には、レモンなどと共に茹でるか、蒸します。中に存在する花やしべは食べずに捨ててしまいます。食用部分はでんぷんに富んでおり、水溶性の植物繊維に富みます。

食感は、芋ような、ユリ根の様な、カリフラワーの茎の様な、等々いろいろな感想を見聞きします。

■【料理の基本ABC】アーティチョークの食べ方|ABCクッキングスタジオ(1分弱)
ABC Cooking Studio 様

【料理の基本ABC】アーティチョークの食べ方|ABCクッキングスタジオ

葉はハーブティーに

葉にはシナリンを含み、肝臓の解毒に効果があると言われています。このシナリンは舌の味蕾にある、甘味受容体の働きを阻害するため、アーティチョークを食べたあとに食べるものの味をなんでも甘く感じさせてしまう働きがあります。葉は乾燥させてハーブティーとして利用されています。

花やオシベは凝固剤として

花を乳に入れて加熱すると60℃で凝固することから、これを凝固剤として使う西フランスのカイユボートや、ポルトガルではおしべを使って凝固させるチーズがあるそうです。

育て方

酸性土壌を嫌いますので、植え付け前にあらかじめ苦土石灰をすき込んで土壌を中和させたり、市販の野菜用培養土を利用しましょう。乾燥に強く、あまり肥料も必要としません。過度な水やりと過肥に気をつけて管理しましょう。

大きくなる多年草なので何株か植え付けるの場合は、60㎝以上は間隔を空けると良いです。鉢やプランターで育てる事もできます。10号以上サイズを選びましょう。5~6月頃につぼみのサイズが10~15㎝程度になった開花直前に収穫します。

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