秋になると、香り良い橙色の花を一面に咲かせるキンモクセイ(トイレの香りは無しですよ)。実はいろいろな事情を秘めていました。一緒に見て行きましょう。
まずは、分類上のキンモクセイ
モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹で雄雌異株です。実はモクセイ(ギンモクセイ)という植物の変種なのです。
ギンモクセイの中でも橙色の綺麗な花をつける変種のキンモクセイは、さらに より花が美しく香りが強い雄株のみが輸入され、雌株が存在しなくなりました。そのため日本では、受粉して結実するメス樹が存在しないため、実を見る事は困難です。植物マニアでもメス樹や種を入手することは困難だそうです。そのため、日本では雄株を挿し木で増やしているのが現状なのだそうです。
雌株は冬にクコの実ほどの小さな実を付け、熟すと紫色になる。ただし、日本では花付きの良い雄株しか移入されていないため、中国まで行かないと実を見ることはできない。なおギンモクセイやウスギモクセイは日本にもごくまれに雌株が植えられており、これが実を付けた時にキンモクセイの実だとしばしば勘違いされる。【Wiki Pedia より引用】
加工品について
花冠は白ワインに漬けたり(佳花陳酒)、茶に混ぜて桂花茶と呼ばれる花茶にしたり、蜜煮にして桂花醤と呼ばれる香味料に仕立てたりします。
■ 桂花陳酒
キンモクセイのつぼみを厳選採取し、ワインに漬け込み、熟成させた、ワインの甘みと華やかな香りが特徴のお酒です。(ALC12度)
香り高いキンモクセイの花を良質のワインに3年間漬け込みました。桂花陳酒はかの楊貴妃もこよなく愛したと言われます。赤ワインにキンモクセイが優雅に香る、華やかな味わいをお楽しみ下さい。
■キンモクセイ茶
金木犀の香りを吸着させた烏龍茶で、上品な香りと癖のない味は中国茶の入門用として最適な茶葉です。封を切って茶葉の香りを嗅ぐと、天然の金木犀の花の芳しい香りがします。
苗を買って育ててみよう
丈夫で育てやすく、庭木として人気がある花木です。
おわりに
キンモクセイの他にも、同様に片方の性しか日本に存在しないか稀少なものもあります。人の手により増殖が可能であれば必ずしも、雄や雌がなければいけない事もないのかもしれません。今年も香り良いキンモクセイの開花時期がやってくる。
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