食べるだけじゃない。カキの楽しみ方。

品種のご紹介

実を食べる、カキの葉茶、カキの葉寿司、工芸品など、カキは様々に利用され、日本人に愛されてきました。魅力を存分にお伝えします。

カキとは

日本や中国や朝鮮半島に分布しています。
縄文時代の遺跡からカキの種(お菓子じゃないですよ)が発見されています。また、平安時代の文献にも載っており、古くから日本で親しまれて馴染んできた植物です

現在では、国内で1000以上の品種がありますので、ネットで検索するとご自分に合った楽しい品種を見つける事ができるでしょう。

甘がき、渋柿

もともと渋柿しかなかったのですが、偶然の発見で鎌倉時代に甘柿が生まれたようで、世界最古の完全甘柿と言われています。
すべての柿が渋のもとであるタンニン(シブオール)を持っています。

【完全甘がき】
「富有」や「次郎」など。
種がなくても甘い

【不完全甘柿】
「禅寺丸」や「筆柿」など。
甘柿の中で種が多く入ると渋みが抜けるものを不完全甘柿といいます。
渋抜きをして出荷します。

【不完全渋柿】
「 刀根早生 」や、「 平核無 」など。
種が入ると種の周辺だけ甘みが抜ける渋柿を不完全渋柿といいます。
渋抜きをすれば甘くなります。

【完全渋柿】
「 西条 」や、「 愛宕 」など。
渋柿の中で種が入っても渋いままのものを完全渋柿といいます。
渋抜きすると程よい甘みになります。

変わり種、黒柿って?

カキにもいろいろありまして、黒いカキ?というものがあります。
【黒実柿】
外皮が艶のある黒い色になる品種で、鑑賞用樹木として販売されています。希少性が高いです。黒柿とも呼ばれます。

【黒柿】
「黒柿」と言えば柿の品種ではなく、心材に墨で書いた様に黒い紋様が入る希少な柿の木の木材の事を指します。黒柿を使った心材は非常に高価で、小物でも高額で取引されることがあります。

黒柿

渋抜きの仕方

柿の渋のもとは水溶性のタンニンです。水溶性のタンニンが固まって不溶性になる事で私たちは渋味を感じなくなります。

水溶性タンニンを不溶性に変化させるために、アルコール(35度くらいの焼酎や消毒用アルコールなど)などを使います。
カキを綺麗に拭いてから、ビニールにカキと焼酎少々入れてます。ビニール中の空気をしっかり抜き、縛り口もしっかり絞めて、常温で5~10日そのままにします。

タンニンが不溶性になって渋みが無くなる

干柿は渋柿を大量に保存食として作る、先人の知恵でした。
皮をむいて寒風にさらして、じわりじわりとタンニンを不要性にします。

干し柿を楽しむ

ご自宅では吊るせるベランダなどがあれば少量でも楽しめます。
ハエなどがあまり飛び回らなくなる秋口を選んで、日が当たり風通しが良く、雨が当たらないベランダなどが良いです。

へたの部分を残して、皮を剥きます。そしてヘタを紐で1個ずつ結べば完了。1週間に1度くらい様子をみて、カビが生えていないか観察します。
表面が乾いてきてから、時々軽く揉むと柔らかい干し柿が出来ます。

バナナんぼ宅で干し柿

娘が収穫しました

収穫はお好みで、柔らかい状態から硬い状態までお選びください。
干柿が千利休の茶菓子に用いられていたそうで、わびさびを感じます。

お茶として楽しむ(葉、へた)

お茶は、動脈硬化・高血圧・風邪の予防に使われてきました。
血圧を下げる働きがあるので、血圧が低い方や病弱な控えてください。

葉を洗い、3~10mmの大きさに刻んで陰干しにします。
完全に乾燥したら、お好みで焙煎(フライパンなどで煎る)します。
手に掴んだ際にシャリッと崩れる程度が目安です。長く保存できます。

乾燥または焙煎したものを、薬缶で煎じるか急須に淹れて、お茶として飲みます。へたを煎じたものは、昔からしゃっくり止めに効果があるとされます。

育て方

カキは育てやすく、家庭果樹として利用しやすい果樹です。
枝先に花芽ができるため、枝先を切り詰めると結実しにくいので、剪定には注意が必要です。品種による差はありますが、1本だけでも随分と結実してくれます。

植え付け
新しい柿を植え付ける作業は、12月から2月の休眠期に行います。

花芽の数
果実の大きさや甘さは、葉で行われる光合成によって生まれます。
同じ枝に4つの実をならせるより、1つの実をならせた方がより大きく、甘い果実になります。最終的には1果実につき15枚の葉、目安としては枝1本に1果実が理想です。

カキの花

苗 、商品のご紹介

珍しい黒柿苗と工芸品をご紹介します。

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苗木でじっくりと楽しむ

桃栗3年、カキ8年と言いますが、結実を速めるために接ぎ木された苗木ですと、早くて2年目から結実するものもあります。

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柿 苗木 甘柿 筆柿 1年生 接ぎ木
甘柿 富有柿 (フユウガキ) 1年生 接ぎ木
太雅 たいが (完全甘柿)

終わりに

庭で大きく育てるのも楽しいですが、鉢で数個の実を収穫しながら、観賞用としても楽しめます。秋の紅葉も綺麗ですね。
ぜひ、植物との出逢いを楽しんでい頂ければ幸いです。

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