食べたり、育てたり、贈り物にも喜ばれる?おもしろい植物です。パイナップルの知られざる世界をご紹介します。

パイナップル(雑学)
松かさの様な果物という意味で、パイン(松)アップル(apple)と名付けられました。昔この apple という単語は、リンゴを示すというより、果実一般を示す言葉だったそうです。

良く肉料理に添えられるパイナップルは、一緒に食べると消化を助けてくれると言われています。肉を柔らかくする酵素が入っているからなのですが、60度を超えると効果がなくなりますので、缶詰(加工時の熱)や料理中に熱を加えると効果がありません。
パイナップルを沢山生食すると舌が痛くなるのは、この影響の様ですよ。

いろいろな「アナナス」とエアープランツ
実はこの植物、果実だけをパイナップルと呼び、植物全体としてアナナスと呼ばれる事があります(パイナップル科アナナス属)。このアナナスは園芸上、パイナップル科の植物の総称として呼ばれ、葉が美しい物や花苞が鵜靴しい物があり、観葉植物として売られています。

また、この仲間には葉の間に水を貯えるものがあり、エアープランツもパイナップル科に属します。
時々パイナップルと間違われる植物があります。アダンというタコノキ属の植物です。熟してくるといい香りをしますが、繊維が多く食べられません。

種類と最もおいしい食べ方とは
幾つかの代表的な品種がありますのでご紹介しましょう。
- スムースカイエン
- ボゴール(スナックパイン)
- ピーチパイン(ソフトタッチ)
このほかにも、企業が品種改良して独自の製品として売り出しているものもあります
- スウィーティオ(ドール社)
- ゴールデンパイン(デルモンテ社)


そして、流通の関係で売られているものはバナナ同様、未完熟の状態で収穫されて追熟させています。何と言っても、一番香り、甘さ、ジューシーさは完熟してから収穫する方法なのですが、沖縄など栽培地でないとなかなか体験できるものではありません。
なんと最近は、実付き苗が入手できるようになりました。入手して少々育てるだけで完熟したパイナップルを収穫し食べる楽しみが味わえます。植物好きの方へのプレゼントとしていかがでしょうか。

パイナップルには種がある??
農園では遺伝的に同じクローンの同一品種のみ栽培されています。そのため種が出来る事がないのですが、他農地で違う品種のパイナップルの花粉を蜂などを媒介として受粉すると種が出来る事があります。
スーパーで買ったものを包丁で割ると、時々表面に近い所にゴマ粒のような黒い粒が入っていれば、それが種です。なんと、これを蒔けば発芽して実をならせる事ができますが、結実までに年数がかかる事や品種特性が変わり同じ実をつけるとは限りません。しかし、ロマンを感じて種から育てている人も居る様です。
ご家庭でも簡単に育てられます。
食べたパイナップルは、上部の葉の部分を残して挿し木にすると、根が出てきます。これを育てるのが簡単です。

1)葉の根元と果物の境を切り取ります。
2)下の古い葉を数枚むしり取って、3日ほど風通しの良い所で切り口を乾燥させます。
3)無調整のミズゴケ等に刺して乾燥しないように時々水を与えて管理します。
4)1ヶ月ほどで根が出てきますよ。
※2)の後に水栽培をして根が出す方法もあります。鉢に植え替え根の状態が観察出来て良いです。時々水を取り替えましょう。
- 水はけの良い酸性度を好みます
- 葉面からも栄養を吸収しますので、時々リン酸分の多い液体肥料を株全体に与えましょう
- 梅雨時期は雨、風が当たらないような場所がよいです
- 寒さに弱いので、霜の当たらない所または鉢で家に取り込みましょう。
数年である程度大きな株になると、花包が出てきます。
大きくなっても花包が出てこない場合は、促進剤として「エスレス10」を使う事もできますが、扱いが多少難しいのここでは省略します。興味のある方は調べてみてください。以前は「カーバイド」が促進剤として有名でしたが、現在は使用禁止となっています。

終わりに
パイナップルは繊維質も多く、クエン酸、ビタミンB1,ビタミンCなどが含まれており、美容と健康にもよさそうですね。南国の果物を、ぜひご堪能ください。
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