千両という植物は、どのくらいの価値??

品種のご紹介

日本に古くからある低木の1つです。今も昔も愛される庭木の定番です。このかわいらしい実と、ギザギザの葉の美しさの組み合わせはいったいどれだけの価値があるのでしょうか?

センリョウという植物

センリョウという名前は、愛称・俗称でもなく、センリョウ科センリョウ属の常緑小低木です。つまり正式名称なんですね。 東アジアの熱帯から暖帯に分布し、日本でも庭木として利用されてきました。江戸時代までは「仙寥花(センリョウカ)」と呼ばれていましたが、見た目が似ている万両よりも実つきがまばらなことと、縁起をかつぐ意味を込めて千両になったといわれています。

樹高は50~80cmほどで、縁にギザギザのある濃い葉っぱを1年中茂らせます。6~9月頃に黄緑色の小さな花が10数個まとまった状態で咲きますが、花びらはなく目立ちません。10~2月頃につける真っ赤な実を鑑賞して楽しみます。

演技担ぎの度合い。万両、千両、百両、十両

実の付き方やボリュームにより、マンリョウ(ヤブコウジ属)、センリョウ(センリョウ属)、ヒャクリョウ(ヤブコウジ属:カラタチバナ)、ジュウリョウ(ヤブコウジ属:ヤブコウジ)という植物ラインナップとなります。

センリョウ(黄実)

さて千両は、現在の価値にしてどれくらいになるのでしょうか。単純計算はできないのですが、江戸時代に有った食べ物(味噌、ソバ、寿司、酒等々)、サービス(銭湯、歌舞伎等々)と現在の比較で試算したものがあります。時代によって価値が変わるため、単純比較はできないですが一説によると、千両は1億3000万円相当だそうです。縁起担ぎにしては、ずいぶんと大きく出ましたね。

鳥たちはこのセンリョウの実が大好きです。特に町など自然が少ない所では、センリョウの実が赤くなると、ヒヨドリさんなどがゲリラ的にあっというまに実を食べつくして、無くなってしまう事もあります。鳥さんたちには、それくらい価値のある食べ物なのかもしれませんね(笑)。

鉢植え、露地植え どちらもステキ

千両は日本では江戸時代初期から栽培されてきましたが、流通しているのは赤実と黄実の2種が大半です。いくつかの園芸品種があります。

■キミノセンリョウ
オレンジがかった黄色の実をつける園芸品種です。赤い実の品種よりも実つきは少なめです。

■ムラサキセンリョウ
「紫葉千両」「黒葉千両」「烏葉千両」とも呼ばれます。花は深紅色で、赤い実がつきます。葉裏が濃紫色、葉表は深緑色で、紫黒色の新葉は特に美しく、リーフプランツとしてもおすすめです。

最後に

人にも鳥にも愛される、センリョウ。実は有毒ではありませんが、食べておいしいものではありません。残念ながら食用に加工したり、色付けに利用する文献は見当たりません。観賞用にぜひとも入手したい植物です。

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