日本で入手できるロウソクの大半は「西洋ロウソク」ですが、昔から「和ロウソク」というものがあります。今回は和ロウソクと蜂蜜の魅力、その原料となるハゼノキをご紹介します。
西洋ロウソク と 和ロウソク
西洋ローソクが普及してきたことにより、和ろうそくは徐々に生産が減少していきました。和ロウソクは西洋ロウソクとは違い、神秘性や姿の良さ、火持ちの良さが高く評価されています。洋ローソクは、植物ではなく、石油から採れるパラフィンというものを原料として作られています。
和ろうそくは、中が空洞芯になっているため、空気がろうそくの中を流れます。この空気の流れによって、和ろうそくならではの炎を揺らめかせます。風がない時でも揺れたり、ぽんぽんと弾むことがあります。
和ろうそくには白色だけでなく赤色や淡いピンク色、水色といったさまざまなカラーバリエーションがあります。昔から作られているのは白色と赤色の2種類です。
和ロウソクの原料
植物のハゼの実の油から抽出した木蝋(もくろう)と呼ばれるものや米ぬかから抽出した糠蝋(ぬかろう)です。また、和ろうそくの芯は和紙の上にい草の灯芯を巻いたものや、和紙だけを巻いた紙芯が使用されています。
和ろうそくの原料でもある木蝋は、パラフィンワックスや他のワックスにない独特の粘りを持っているのが特徴です。
化粧品の口紅、ハンドクリーム、軟膏、座薬、クレヨン、色鉛筆、お相撲さんのビン付け油等です。そして最近では、ワープロのリボン等にも用いられました。
芯は、和ろうそくの場合は、い草の髄から取れる燈芯が使われていますが、洋ローソクでは糸を使用しています。
また、製造方法も、一本ずつ手作業で作られるため、できあがる数も限られてしまう和ろうそくに対して、洋ローソクは機械で製造するため、大量生産が可能になっています。
はちみつにも利用されている
ハゼは、アカシアの開花期とそよごの開花期の中間期に花が咲くので、ハゼの蜜を単花蜜として販売している養蜂家は少ないそうです。
食べ始めは独特のピリッとした風味があり、後味がミントのようにすっきり。
香りが爽やかなので、食べやすいはちみつです。彩色は、黄金色です。
植物としてのハゼノキ
ウルシ科ウルシ属の落葉小高木。江戸時代以前の木蝋の原料は、ウルシの実でしたが、中国からハゼノキが持ち込まれて以来、蝋の原料として栽培されました。同じウルシ科のウルシ同様に触れるとかぶれることがあります。秋には赤く紅葉するので、山の中でも目立ちます。
また木材はウルシ同様に、鮮やかな黄色のため工芸品や和弓に利用されたそうです。
最後に
山で見かけるハゼノキは、以前はろうそくを作るために盛んに栽培され、それらが野生化したものや、果実の鳥撒布により広がったと考えられています。果実に脂肪を含むので、野鳥が好んで食べるそうですよ。
コメント