羊皮、洋紙、和紙と時代の流れに翻弄されたパピルス。食用にも。

品種のご紹介

今ではエジプトのお土産として残っているパピルス紙。スーっと真っすぐに太陽に向かって伸びるこの植物は、インテリアとして苗が日本でも売られています。自然と人々との歴史的な出会いから、地理的条件や新たに発明された紙の発明により、利用がすたれてしまいました。
ヒエログリフが書かれたパピルス紙、古代ロマンを感じて楽しみませんか?

パピルス(カミガヤツリ)の特徴

カヤツリグサ科カヤツリグサ属(シペラス属)の多年草の草木です。
原産地はアフリカ、シリア、南ヨーロッパとされています。アフリカ奥地の湖や河畔の浅い緩やかな流れの中に繁茂します。

水草で高さは2mほどになります。茎の断面は三角形で最大6cmほどの太さになります。
通常は地下茎によって増殖します。

茎は1~2mの高さに立ち上がり、先端に線状の花軸を放射状に100~200本伸ばした花穂をつけます。
花期は4月頃ですが日本の環境では7月くらいになります。緑がかった茶色の花房をつけ、ナッツのような形をした茶色い果実も形成します。

パピルスの矮性品種には「モットム」があります。
近縁種として「アルボストリアツス」は、南アフリカ原産で、高さ20~60cmの茎の先端に葉のような形の苞をつけます。また、「シュロガヤツリ」はマダガスカル島原産で、高さ50~90cmの茎の先端に葉状の苞をつけます。

■古代エジプトの紙「パピルス」作り好調 今も4500年前の製法(約1分半)
毎日新聞

古代エジプトの紙「パピルス」作り好調 今も4500年前の製法

日本にもカヤツリグサなど28種が自生しています。最近話題の健康食料品「タイガーナッツ」と同じカヤツリグサ属の植物です。

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パピルス紙をつくってみんなに自慢しよう

植物のパピルスは通販で入手できます。
複数本立ちの株を購入してそのうちの数本を使い、残りは観賞用で育てれば、紙づくりの体験もできて観賞を楽しめるという合わせ技をお勧めします!

パピルス紙は紙漉きのように繊維をバラバラにせず、茎を伸ばしたものを貼り付けて作ります。
カットした茎を横に並べて出来る長方形のサイズが、予定の紙サイズになります。
作る工程であらかじめ、縦横サイズを想定して茎をカットします。

木槌や木片、ローラーなどで繊維をある程度伸ばします。あまり強くやりますと繊維がほどけてきますので、ほどほどに行います。その後水に漬ける事で、シャキシャキしていたパピルス片は柔らかくなり、その後プレスしたときにせパピルス片同士が接着し易くなります。

用意するもの

パピルスの苗、包丁(カット、皮むき)、木槌(繊維伸ばし)、木片(繊維伸ばし)、擦り棒やローラー(繊維伸ばし)、タッパー(繊維ほぐし)、布や寒冷紗(乾燥時の下敷)、フェルト(脱水用)、重石や本(圧着)

作り方

  • カッターなどを使い、根本から茎を切り取ります。
  • 上記解説にある様に、作る紙のサイズを想定してそろえた長さでカットします。
  • 茎表面の皮を剥き、中の白い部分を露出させます。
  • 茎を2mmほど縦にスライスします。
  • それぞれ木片や木槌でたたいてつぶし、さらにローラーをかけて水分をだし薄くする。
  • 水を張ったタッパー等に漬けます。水面に浮かない様に簡単なもので抑えましょう。
  • 多少色が変わった所で、水は絞らず布の上にそのまま格子上に並べます。
  • パピルスの上下にフェルトで挟み、重石で圧着します。
  • 乾いた頃にフェルトを外して、はさみで綺麗に整形したら出来上がりです!
  • 細目のサンドペーパーで表面を磨きます。
  • 防腐や虫除けのためにシダーウッドオイルを塗布する場合もあります。

古代では食べる事もあったそうな

パピルスは糖分や油分を豊富に含み、古代エジプト人は柔らかい部位を生や加熱して食したそうです。しかしそれでも繊維分が多いので、煮汁を飲んだり、口に含み水分のみ摂ってかすは捨てていたそうです。

育て方

日光を好む植物なので一年を通してよく日に当てましょう。育てやすい植物です。
熱帯や亜熱帯の植物で高温を好む植物ですが寒さにも強く、最低温度が5℃以上あれば簡単に冬越できます。冬は水やりを少なくして乾かしぎみに育てると0℃くらいまで耐えるそうで、霜の当たらない場所なら外でも冬越しできます。室内に取り込む場合は、できるだけ日当たりの良い場所を選びましょう。育成の適温は20度~30度で、酸性土壌を好みます。粘土質でも良く育ちます。

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