初夏に香りの良い薄紫の花を咲かせます。1つ1つの花は小さいがまとまって咲くため、最盛期には木全体が薄紫色に見えるます。葉も涼しげなので校庭、並木などに植えられます。実は民間薬に使われているが、実の中にサポニンが多くが含まれているので、安易に食べないでください。
植物の特徴
センダン科センダン属で、暖地の海岸沿いや山地に自生する落葉高木です。
春、新芽は羽状複葉タラの芽ににた形状です。5~6月に淡紫色の花を多数つけます。
9~10月ごろに実はクリーム色に熟します。枝先に鈴なりにでき、遠目からも目立ちます。落葉後も木に長く残ります。
果実の核は長楕円形で5~6室からなり、各室に1個の種子がはいっています。ヒヨドリなどの野鳥は好んでこれを食べますが、サポニンが多いので、摂取すると食中毒を起こし、量が多いと死亡する事が有りますので注意が必要です。犬の場合は5, 6個、ヒトの子供は6 – 8個の実の摂取で死に至ると報告されています。
似た名前で「インドセンダン」という植物があります。これは「ニームの木」で有名ですが、センダン科アザディラクタ属という近縁種となります。
用途
樹高は5~15mほどになり成長が早いです。苗から15年から20年程で木材に製材できます(ミンティ材)。センダンは家具材として有名なマホガニーの仲間です。家具、木魚、下駄、楽器材にも使われます。
葉には強い防虫効果があり、昔は農家で防虫として使われていたそうです。
果実は生薬として利用されるが、素人が勝手に実を加工するのは危険です。
最近では犬猫の健康補助食品としてセンダンの葉のエキスが売られています。
成長が早く大木になるので、庭木には適さないですが「一才センダン」というあまり大きくならない品種や、班入りセンダンなどもあります。
育て方(概要)
日当たりの良い場所を選ぶことが大切です。植え付けは春に暖かくなってきた頃4月上旬以降が適しています。暖かい地域に自生する樹木なので寒い時期に根をいじるような作業は避けましょう。
ある程度の耐寒性はありますが、冬に強い寒波に遭うと枯れてしまうことがありますのであまり北の地方での植栽は適しません。
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