昔銭湯に行くと富士山の絵が有ったものです。そこには必ずと言って良いほど黒松が描かれています。黒松が日本の風景美となっている訳ですが、日本人が愛した黒松について迫ってみます。
植物の特徴
マツ科マツ属の常緑高木です。北海道南部から九州までの海岸林に広く自生または植栽されている。樹皮は黒みを帯び、冬芽は白い毛に覆われます。 雌雄同株で4~5月に花が咲きます。
風や塩害・乾燥に強いため、防風林や街路樹、庭木として利用されてきました。
昔は強風などで落ちた松葉をかいて燃料にしていました。台風の翌日は、朝4時に起きて枯れ枝拾いを行ったと言われています。松葉は主にカマドで飯を炊くのに用いたそうです。昔から親しみのあった植物なのですね。
日本各地で病気で枯れて行く例が多い。
近年ではマツクイムシの被害を受ける例が増えており、クロマツ保存の必要性がでています。 共有林では、毎年松が枯れたり、減ったりした所に松苗を植えるなど、人とクロマツ林との共生関係があったそうです。戦後の燃料革命によって、枯葉が全く使われなくなってから、松葉をかく者もいなくなり、松林が荒れたと言われています。生活に密接に関係していたからこそ、人々に愛され、銭湯の富士山の絵と必ず対になってクロマツが書かれていたのですね。
昔から利用価値のあるものだった
材は脂分が多くて粘り強く、格好の建築用材です。そして盆栽や庭木として観賞用に親しまれています。さらにマツヤニはインキ用樹脂、接着、香料、食品添加物、医薬原料の他、バイオリン等の弦のワックスとして、半田付けの溶剤として多用な用途があります。
盆栽、庭木として育てよう
日当たりを好む植物のため、日照は不可欠で日当たりの悪い場所では育てられません。また水はけの悪い場所も苦手です。
最近はミニチュア盆栽など小さくてかわいらしい物が販売されていますので、机に置いたり自由度が大きく楽しめる様になりました。松ぼっくりから種を取り出し、盆栽用に発芽させる事も楽しみの一つです。
最後に
黒松もいくつかの園芸品種があります。
葉に白い模様(班)が入る「蛇の目松」、枝や幹が岩のようになる錦松、葉の付け根が「扇形」になるオウギマツ、新しい葉の全体が黄色くなる黄金クロマツなどがあります。
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