実が無いミカン、仏の手。ブッシュカン(仏手柑)。

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奇抜な実の柑橘の実がなります。中は白いワタで埋め尽くされていて果実はほとんどありません。主に観賞用としてお正月飾りにされたり、古くから絵のモチーフとして好まれ、仏手柑(ぶっしゅかん)を模した彫刻や絵皿がたくさん残っています。

ブッシュカンの特徴

ミカン科ミカン属の常緑低木樹で、インド原産です。
下表に有る様に、レモンやカボスと同様に、高酸柑橘類としていわゆる「酸っぱい系」の柑橘に分類dされています。同分類の「シトロン」の変種と言われています。

柑橘類の品種、商標、流通名
オレンジ類バレンシアオレンジ、ブラッドオレンジ など
グレープフルーツ類グレープフルーツ など
高酸柑橘類カボス、シークワサー、シトロン、ブッシュカン、レモン、ライム など
雑柑類伊予柑、夏ミカン、八朔(ハッサク)、日向夏 など
タンゴール類清美、せとか、タンカン、シラヌヒ(デコポン) など
タンジェロ類スイーティー、セミノール、タンジェロ、アグリフルーツ など
ブンタン類ブンタン(ザボン) など
ミカン類温州ミカン、タチバナ、ポンカン など

花は5~6月ごろに咲きます。白にほんのりピンク色を足したような可愛らしさがあります。甘酸っぱい香りがあります。

実はゴツゴツしていて、先がまるで指のように分かれていることから「仏手柑(ぶっしゅかん)」という名前がつけられました。さらに実を割ると、中は白いワタで埋め尽くされていて果実はほとんどありません。果皮の表面は柑橘類らしく油胞が覆い、熟すと黄色く色付きます。

日本では、温暖な鹿児島県や和歌山県で栽培が続けられているそうです。多くは観賞用にされるため、生産量はあまり多くなく、専業農家はかなり減少しているそうです。

用途

観賞用として

縁起物として、お正月飾りにも使われます。古くから生け花やお茶の席で縁起物の花材として使われてきました。そのため年末年始になると、花屋さんで販売されていることがあります。

食用として

酸味が強いため生食には向きません。刻んで砂糖漬けなどで菓子にしたり、マーマレードにしてジャムとして楽しみます。

■ジャムづくりのポイント
白いワタはとても苦いので、できるだけ皮だけをそぎ落として使います。
皮は千切りに細かく刻んで、3~4回ゆでこぼします。果実がうまく取れるようなら一緒に加えたり、レモン果汁で酸味を整えます。皮にも苦みがりますが、何度かゆでこぼすことで苦みが和らぎます。その後砂糖を加えて煮詰めます。

ジオスミンやヘスペリジンという栄養成分が含まれおり、体の調子を整えてくれる成分です。乾燥させて食べたり、健康茶として販売もされています。また、乾燥させたものは漢方薬として利用されます。

育た方

関東以南の暖地で北風の当たらないような場所で栽培します。霜や寒風の心配のない一部暖地では露地でも栽培できますが、平地では屋外での越冬が困難なので基本的に鉢植えで育て、冬は室内で管理します。

高温多湿の環境を好み乾燥に弱い性質があります。用土を乾かし過ぎると発育が悪くなるので水切れには注意しましょう。

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