果実にはビタミンCが豊富で、ビタミンA、ビタミンE、さらに果物としては珍しく油脂(不飽和脂肪酸)を含みます。その他、豊富な鉄分、亜鉛、アミノ酸類、様々なファイトケミカルが含まれ、その種類は200種以上といわれています。
シーベリーの特徴
グミ科ヒッポファエ属(Hippophae)の落葉低木の総称で耐寒性落葉低木です。ユーラシア大陸の中・北部に広く分布しているグミ科の植物です。雌雄異株です。
2~4メートルにもなる木には、秋になると可愛らしいオレンジ色の実がなります。
原産国によって名前が異なり、中国では沙棘(サジー)、モンゴルではチャチャルガン、ロシアではオピルビーハ、イギリスではシーバックソーン、フィンランドではトゥルニなど、様々な呼ばれ方をされています。
幹や枝にトゲがたくさんあります。秋になるとそのトゲと針状の葉に守られるような形で、小豆ほどの大きさのオレンジ色の実をつけます。オスの花は茶色く、メスの花は緑です。 花のツボミもオスのうほうがメスよりも3~4倍大きいのが特徴です。
シーベリーは、標高2000メートル以上の高山や砂漠地帯など、寒暖差の激しい地域で育ちます。冬期に-43~-40度℃にもなる厳しい環境で凍結を防ぐために、実にはオイルが含まれています。また、海水の塩が周囲にある沿岸地域でも育ちますので、中国では、これを用いた砂漠緑化や果実の利用に力を入れているほどです。
根には大豆と同じフランキア菌という放線菌があるため、窒素・リンなどは自らで作るので、栄養分が少ない土地でも育つことができます。日本では、北海道で生産されています。
果実の有効成分
果実には、鉄分、亜鉛、ビタミンACE、アミノ酸、不飽和脂肪酸オメガ3・6・9、パルミトレイン酸(オメガ7)が豊富に含まれています。また、シーベリーに含まれる油脂は、免疫や皮膚再生、スキンケアに関する研究が進んでおり、特許文献が多数報告されています。
生食は甘みもありますが酸味と渋みが強いので、ジャムや果実酒、ジュースやゼリー・アイスなど加工されます。
育て方
寒さにも暑さにも強いので、種蒔きはいつでも可能です。日当たりが良い場所で栽培してください。 砂漠でも育つので、どのような荒れた土地でも問題ありません。 乾燥・塩ストレスに強いこと、根粒菌が着生していることなどから、痩せ地・ある程度厳しい環境下での栽培も可能です。 元肥も追肥も必要ありませんが、花のつぼみがつき始めた時に少量の肥料をあげると実付きが良くなります。
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