高原に行くと白樺の林に出逢う事があります。涼しげな白い幹、光沢のある緑の葉。この木に憧れる方は多いのではないでしょうか。白樺の秘密をご紹介します。
シラカバ 白いカバ?
シラカバの正式名はシラカンバで、カバノ木科カバノキ属の落葉樹です。
白い幹のカバノキという意味なのですが、カバという木は実は存在しません。実は「ダケカンバ」という同じカバノキ属の木の仲間として、シラカンバがあるのですね。白い「カンバ」の木という事なのです。ややこしや。
温帯から亜寒帯に分布するこの木は、福井県、静岡県から北海道に分布します。北海道では平地で普通に見かけますが、本州中央部では高原で見かけます。
さて、3つの秘密についてですがこれは、シラカンバが自分たちを増やすための戦略なのです。
生き残りをかけた、3つの秘密
シラカンバは、山火事や山崩れなどの跡地に真っ先に生え、素早く成長し、そして早く枯死して土に還ることで、土壌を豊かにする役割を果たしています。
この「真っ先に生える」ための秘密があるのです。 それは種子が不適地にあると休眠し、条件が揃うと一斉に発芽するという戦略なのです。そして一斉に生える事で他の植物が成長する前に、場所を独占して林立するようになるのです。
のどを潤した「タッニ・ワッカ」と現代の活用
春の芽吹く頃、白樺の幹に傷を付けると大量の樹液が出ます。昔、アイヌ民族はこの樹液をタッニワッカ(シラカバの水)と呼び 水場がない場所で野営する際に、炊事の水に用いてきたそうです。また フィンランドでは春になるとこれを飲む風習があるそうです。
近年、この樹液は人口甘味料のキシリトールの原料として使われたり、人肌の保湿に効果がある事から化粧水に利用されたりしています。
シンボルツリーとして庭木に出来るのか
白い幹、緑の光沢のある葉、シンボルツリーとしてはとても素敵です。バナナんぼが住んでいる関東でも、お店や、一般のご家庭の庭木として植えられている所をいくつか見かけます。しかし、若干の注意を知って植えられることをお勧めします。
シラカンバは現地から株を分けて貰うのも良いですが、園芸種もあります。
ジャクモンティー(ジャコモンティー) 幼木のうちから幹が白くなる品種で、かつ通常のものより純白に近い幹になるそうです。
ロイヤルフロストレッド、オレンジ、イエロー3色が織りなす紅葉を楽しめる。
木になる化粧品
保湿効果があるというのなら試してみたいですよね。
工芸品に樹皮を活用
白い樹皮をもつシラカバは、工芸品に活用されています。あなたも、相違工夫して手作りしてみてはいかがですか?
最後に
シラカバの名前を知っていても、シラカンバが正式名とは意外だったのではないでしょうか。最近は黄色だけでなく紅葉する品種も出てきて楽しむ幅が広がり化粧品も出てきました。シラカンバライフは面白そうですね。
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