沖縄や石垣島に自生しており、花や実がユニークです。幹からは気根と呼ばれる根がタコの足のように伸びます。背丈は6~10mにも達しますが、鉢植えにするとコンパクトになり楽しむ事ができます。実も食べる事ができます。タコノキ属を楽しみませんか?
タコノキの特徴
タコノキ科タコノキ属(パンダヌス属)の常緑高木で雌雄異株です。
ユーラシア大陸やアフリカ大陸、オセアニアと周辺の島々に520種が自生しております。その中でもオガサワラタコノキは小笠原諸島の固有種です。
タコノキは海の近くに自生し、高さ10mほどになります。強風に耐える為か、気根が支柱のように幹を取り巻き、タコのように見える事からこの様な名前がつきました。多くのタコノキ属の植物が同様に気根を付けます。この気根は呼吸や吸排湿の役割を果たしています。葉は細長く1mほどに達し、大きく鋭いトゲをを持っています。
初夏に白色の雄花、淡緑色の雌花をつけます。花弁は無く、雄しべだけの花が集まって大きな花序となり、下向きに白い花を咲かせます。雌の花は球状の花序になり、数十個の果実が固まったパイナップル状の集合果をつけます。秋になると熟して色づき始めます。果実の色は黄色から赤に近いオレンジ色になります。果実が熟すと、集合していた果実がポロポロと地面に落ち、丸い芯だけが枝に残ります。
同じタコノキ属で似ている植物に、アダンがあります。
良くアダンをタコノキと間違えて紹介されている記事を見かけますので、違いを以下に紹介します。決定的な違いはタコノキの集合果は熟すと自然に落ちる事です。
樹高 | 樹形 | 気根 | 集合果 | |
タコノキ | 5~10m | 直立してすっきり | 太く長く多数 | 熟すと1片ずつポロポロ 落ちる。枝からぶら下がる。 |
アダン | 3m程度 | 斜めに生え、枝分かれが多い | 細くて少ない | 熟すと黄色くなり、甘い芳香。 葉に近い部分に果実がなる。 |
観葉植物としてよく栽培されているのは、アダンやオガサワラタコノキのほか、小型で葉の縁に黄色の斑が入るシマタコノキ、ビヨウタコノキなどがあります。いずれの種類も葉縁にとげがあります。葉縁にとげのないトゲナシフイリタコノキは緑色地の葉に黄色の中斑が入ります。
また、ハーブとしてはニオイタコノキ(パンダンリーフ)があります。
独特な甘い香りを持つハーブと言われています。アジア・エスニック料理の香りづけによく利用され、タイ料理や、シンガポール料理にも用いられるようです。東南アジアではバニラやココナッツのような甘い香りがするパンダンリーフはポピュラーな野菜として有名ですが、日本ではまだまだ珍しい植物です。
利用用途
大きくなる木ですが、鉢植えにすると以外にコンパクトで観葉植物として楽しめます。公園樹、防潮林としても利用されています。
果実が熟すとスナックパインのように集まっていた果実が取れますので、楽に食べられます。
食感はパイナップルとは違いホクホクで、ドリアンに近い感覚です。味は甘みがほんの僅かに感じられる程度あります。パイナップルのような強い甘みではありませんが、食用としてタコノキを用いている地域もあるようで、茹でて食用とする場合もあります。アダンの実も同様に食用にできます。アダンの方が少し酸味が感じられるようです。
残った種子は「松の実のような味」で微かにナッツ感があり、島ラー油や島唐辛子味噌にも使われています。
タコノキの近縁種であるアダンの生息地である太平洋の島々では、床や壁、屋根などの他に帽子やかごなどの雑貨作りに使われているようです。
育て方
日当たりのよい場所から明るい日陰に置きます。光線が弱すぎると葉が軟弱になるので注意します。冬は室内に置き、ガラス越しの日光によく当てます。鉢植えでも室内の日当たりのいい場所でしたら充分育ちますので、場所もとりません。
春と秋は鉢土が乾いてきたら与え、夏は鉢土を乾かさないように与え、冬は鉢土を乾かし気味に与えます。葉の間にたまった水は、鉢を逆さにして落とします。
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