冬に赤い実が生る、フユイチゴ。

品種のご紹介

冬に赤い果実を物らせるフユイチゴは、日本の関東以南に自生するキイチゴの仲間です。主に山や林など木が多く茂る場所で、比較的に日当たりが良いところに自生しています。生食やジャム、トッピングに利用されるなど、なかなか山野草としては使い道が多いです。11月から1月に掛けて赤く熟します。冬に熟することが和名の由来です。

フユイチゴの特徴

バラ科キイチゴ属の常緑ほふく性の小低木です。背丈は大きくなってもせいぜい30センチ程度です。
4月ごろから新芽が出て、夏場にかけてツルを伸ばします。葉は丸っこく浅く3裂し互生します。小さい物では5センチ程度で大きくても10センチほどです。葉表は緑色かやや褐色がかった緑で、ツヤがあり縁には細かい鋸歯があります。裏面には細かい毛があります。

花期は9月から10月で、葉腋から花茎を出し、穂状に花弁が5枚の白い花を数個つけます。晩秋から一ヶ月かけて赤い果実がなり、11月から1月ころに熟します。

寒い冬にも限らず、赤い果実を実らせているノイチゴを見つけたら、フユイチゴの仲間だと思ってかまいません。どのフユイチゴも温かい地域に生息しているのが特徴です。またどれも見た目はよく似ています。

キイチゴやノイチゴの仲間は、どの種類も食べることができますが、味はばらつきがあります。
しかし、フユイチゴやその仲間の実は、おいしく食べられる種類です。

加工もされます

真っ赤な透明感のある大粒の集合果は、甘酸っぱい野性的な味が特徴です。
水分の多い果実は、生食の他冬いちごのジャムやソースなどにも加工して楽しめます。

■ジャム
キレイに洗ったフユイチゴと同じ量の砂糖を、とろりとするまで煮詰めるだけで作ることができます。長期保存ができて甘酸っぱいジャムは、使い勝手がいいのでたくさん取れたら作りましょう。

■リキュール
よく洗った実に同量の氷砂糖とブランデーを注ぎ入れます。氷砂糖が溶けたら完成です。

育て方

半日陰で少し湿り気があり、風のあまり当たらないところが適地です。土を選ばず肥料もあまり必要ありませんが、匍匐性がありランナーを伸ばしてその先に子苗を作って繁殖しますので、地植えにする場合は周辺の土に堆肥や腐葉土などの緩効性の元肥をすき込んで植えてやると毎年の着果が安定します。

耐暑性、耐寒性があり、強健で成長が早いのでランナーを伸ばしよく増えますが、根が浅く乾燥には弱いので夏場には少し注意が必要です。

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