ハーブ・観賞用としてのチャノキ

品種のご紹介

紅茶、緑茶、ウーロン茶すべての原料であるチャノキ。現在では、それぞれの茶葉の製造に適した品種改良品から作られますが、チャノキ1本で様々な発酵過程を経てさまざまな茶が出来ます。以前にもお茶の特集をしていますが、今回は、植物としてのチャノキを特集します。

植物としてのチャノキ

ツバキ科ツバキ属の常緑樹です。中国の四川から雲南地方原産の中国種とインドのアッサム原産のアッサム種があり、ツバキやサザンカに近い樹木です。 丈夫な枝と短い茎をもち、細長い葉が特徴です。藪や岩だらけの傾斜地などに自生します。 花は10から12月初旬頃にツバキのような白い花を咲かせて実を付け、翌年の秋に熟してタネができます。

日本で栽培されているのは「中国種」です。「中国種」は、葉が小さく、長さが3~5cmほどです。葉は薄く、丸みを帯びています。日本をはじめ、中国や台湾などで生育しています。一方の「アッサム種」は、葉が大きく、10~18cm程度です。葉は厚く、葉先が尖っていて、インドやスリランカ、アフリカ諸国などで栽培されています。


中国種は緑茶向きで、苦味成分「カテキン」の量が少なく、旨味成分となるアミノ酸が多いのが特徴。アッサム種は逆に、「カテキン」が多く、アミノ酸が少なく、紅茶に向くとされています。

栽培には1mくらいまで刈り込まれますが、自然では中国型は5メートルくらい、アッサム型は15mくらいまで大きくなります。

昔から現代まで、いろいろな人と関わりがある

日本では鎌倉時代に 喫茶の習慣や茶道が広まりましたが、縄文時代晩期の泥炭層遺跡や縄文弥生混合期の遺跡から、チャの実の化石発見されている事から、昔から人々に利用されてきたと考えられます。

現代では、耕作放棄されて管理されなくなり野生化したチャノキが、さらに年月が経つ事で化学肥料分が抜け落ちて、自然のペースで大地から栄養をもらって成長した葉や枝を使ったプレミア茶葉を販売している企業もあります。

中国の山岳部の一部では、背の高くなった野生の茶の木に登り、茶葉を収穫してお茶を飲む民族もあるそうです。

丈夫なので育てやすい

耐寒性・耐陰性が強く、酸性度にも強い

中国種はアッサム種よりも寒さに強いです。北海道にも積丹半島の禅源寺(古平町)境内にチャノキがあり、これが植栽されている最北端とされています。
チャは酸性土壌を好む植物であり、酸性化が進んでいる土壌への耐性が比較的強い。また本来は陽樹区分されますが、日射量が少ない環境にさらされても生き延びることが出来る耐陰性に優れた特性を持っています。

観賞用のチャノキもある

ハーブとして茶葉を作る以外にも、班入りや花が綺麗な「観賞用」チャノキもあります。こちらも育てて、観賞してみてはいかがでしょうか。

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