ナンテン。のど飴と園芸種の多さが面白い

品種のご紹介

秋になると次第に実が赤くなってくる、ナンテン。江戸時代より園芸種が多く、流通が発達した事で、楽しめる様になりました。「のど飴」でも有名ですが、はたして有効なのでしょうか。そして毒成分も併せ持つこの植物は、安易に飲食に利用すると危険な事も。

ナンテンの豆知識

メギ科ナンテン属の常緑低木です。 中国原産で、古く渡来したものが日本で分布しているようです。「難転」と同じ発音なので、「難を転ずる縁起の良い木」としてお正月に飾られたり、庭木として利用されています。

実にはアルカロイドの一種が含まれ、鎮痛作用がありますし、葉には生薬として利用される他、食品の防腐目的と彩にお弁当などに添えられる事があります。いずれにしても、実も葉も量を間違えると危険な成分が含まれているので、安易に加工して利用する事は危険です。 ネットでは赤い南天実をリカーに漬けこんで、南天酒を作ったレポートを見かけた事がありましたが、商品として南天酒を見かけないのは、危険だからではないでしょうか。

のど飴、実は医薬品です

江戸時代には既に鎮咳薬として珍重されたと、“松屋筆記”に の記述があり、昔から効用が謳われていたようです。実は、厚生労働省において医薬品及び医薬品原料として定められており、鎮咳去痰薬の有効成分として収載されています。南天実は「いわゆる健康食品」に使用することのできない成分なので、お菓子ののど飴とは違う「医薬品」として扱われています。

南天のど飴は、第3種医薬品として扱われています。
のどの炎症を抑え、気管を広げ、脳のせき中枢に作用してせきを鎮めるとされています。

第3種医薬品とは

安全・健康上のリスクが比較的的低い医薬品の分類です。
薬剤師もしくは登録販売者から購入できる医薬品です。2009年の薬事法改正により、薬剤師の監督下になくても販売可能とされ、コンビニでの販売や通信販売なども可とされ、2013年改正薬事法でネット販売が解禁されました。

南天の花

園芸種も充実。観賞も楽しくなりましたよ。

江戸時代は南天以外でも、多くの植物の園芸種が沢山作られました。現在でも保存されている種もありますが、継承されずになくなったものも多々あります。
さて南天に関する園芸種ですが、葉変わりの品種が沢山作り出されました。

■オタフクナンテン
矮性の品種で丈が低く、葉は広く円く、色彩は紅・橙・黄などの葉が交じって美しい。冬花壇に最適な品種です。

■ 紅烏帽子
小葉性で樹高が2メートル程度になる直立性の南天の選抜品種で、特に実が付きやすい南天です。

■レモンライム
黄緑色の明るい葉が特徴の品種です。成熟すると濃い緑色へと変化し、新葉の黄緑色とのコントラストも美しいです。背丈は1m未満とコンパクトで鉢植えや寄せ植えに最適です。

最後に(育て方)

半日陰地を好み、強い西日の当たる場所は嫌います。土質は特に選びませんので育成は容易です。いろいろな園芸品種がありますので、ご自分に合ったものを育てて毎日の癒しになれば幸いです。

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