ニンジン、パセリ、セリなどセリ科の植物は、日本でもなじみがある野菜が多いです。その中でセロリも代表的な野菜です。昔から生で緑の茎(葉柄)にマヨネーズを付けて、パリッ食べる以外にも、日本では未だめずらしい食材のセロリをご紹介します。
セロリの特徴
セリ科オランダミツバ属の一年または越年草です。
今回ご紹介するセロリは、緑鮮やかで香りが強くパリッとした品種ではなく、柔らかくて控え目な香りのスープセロリ(キンサイ:芹菜)、ホワイトセロリや、根が肥大した部分を食べるセルリアック(根セルリー)をご紹介します。
セロリ(セルリ)の品種は葉柄の太さや抽苔の早い遅いによって分けられますが、黄色種・緑色種・中間種・赤色種・白色種と、葉柄の色で大別するのが一般的です。私達が一般的にお店で購入するセロリの多くは、中間種に当たる薄緑色をした「コーネル系」です。最近は軟白栽培がかんたんな黄色種、最近人気の香りの強い緑色種、緑色種と黄色種の交雑種があります。
「スープセロリ」は東洋在来種(アジア型)で、一般のセロリのような青臭みのない品種です。茎は丸く中空の茎に湾曲しています。また、西洋セロリとは異なり、茎だけでなく葉も使用されます。葉は小さいですが香りが強いです。
「ホワイトセロリ」は白色種で、見た目は「みつば」に似ています。一般的なセロリと比べると、香りも優しく、繊維が柔らかく、独特なシャキシャキ感があります。水耕栽培で作られる品種です。
「セルリアック」は葉茎は苦味が強いため食用に向かず、肥大した根茎だけを根菜として食用にされます。多くの根菜と異なり、セルリアックにはデンプンが5%から6%含まれています。賞味期間が短いく切った部位は酸化しやすいため、切り口は酢水などにつけて保存すると良いです。
料理方法
生食にしたり、煮込んで食感や香りを楽しみます。
・スープセロリ
中華料理などの風味付けには欠かせない香味野菜です。また、油で炒めて肉料理の付け合せなどにも最適です。
・ホワイトセロリ
葉やスジも柔らかでスープやサラダに利用されます。
・セルリアック
生食、または焼いたりゆでたり煮込んで、ポタージュやマッシュして利用されます。薄く切ってスープに入れると味が引き立つ様です。
育て方
肥沃で、保水性と排水性が良い土を好みますが、酸性土壌は嫌います。セロリの発芽適温は15度~20度で生育適温は20度~25度です。高温には特に弱く、25度以上になると発育が停滞します。低温には比較的強く、氷点下10度以下になる地域でも、外葉は凍みて枯れますが、株自体は越冬し、翌年には抽苔して5月に花を咲かせます。
種からの栽培は小苗の育成が難しく、夏の管理なども難しい為に、経験のない方は苗から育てる事をお勧めします。一般的なコーネル619号(新コーネル619号)は固定種で、自家採種も可能です。
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