わびさびな観賞用の渋柿 ロウヤガキ(老爺柿)

品種のご紹介

小さな尖った形状の実を付け、盆栽にすると味のある風情を醸し出し、露地植えなら小さな実を見事に付けて、見ごたえがあります。かわいらしい実が付くとわくわくします。ロウヤガキの魅力をご紹介します。

植物の特徴

カキノキ科カキノキ属で中国の中部を原産とする渋柿です。
正式にはロウアガキ(老鴉柿)と言うそうですが、一般的にはロウヤガキとして流通しています。鴉はカラスを意味し、真っ黒に熟す実の様子をカラスになぞらえて命名されたとの事です。
ツクバネガキとも呼ばれます。

3~4月に開花し、9~10月に実ができます。普通の柿のように枝に直接できずに、ぶら下がってできるのが特徴です。果肉は少なく、中身はほとんどが種である上、味もエグみがあって食用になりません。形状や色は様々で、丸い形から細長くとがったもの、赤みを帯びた橙色から黄色までいろいろあります。実は1個ずつ色づくので、1本の木に多彩な実がつきます。葉性、枝性、皮性にも変異があり、「これ程に個体変異に富んだ生物の樹木は、他に例を見ない」と、日本に初めて導入した山口安久氏は著書でで語っています。

雌雄異株で実をならすためには両方の株が必要という説が有力です。単一株ですと、実が緑のうちに落ちてしまう事が多い様です(稀に数パーセントですが、雄の花粉が無くても結実するものはあるそうです)。筆を使って人口受粉させたり、ジベレリンによる人工交配でもよく結実します。

日本に渡来した落葉する老鴉柿と、亜熱帯に自生する常緑のトキワ柿の2種は、日本で交雑してしまい、特に日本での実生木は、交雑している確率が高いそうです。しかし、交雑した中間種の中には、すばらしい品種もある事も事実です。園芸種には、常緑で葉に模様の入る品種などもあります。

■老鴉柿展(約4分半)
伊田隆允 様

老鴉柿

育て方(露地植え)

日当たりの良い場所を好みますが、夏の暑さや乾燥に弱く、条件の悪い場所では実が熟す前に消失してしまいます。太陽光が厳しい時は遮光し、秋に植替えをした場合はムロに入れるようにすると良い様です。植穴には腐葉土を入れ、株元には藁などを敷いて乾燥を防ぐのがよい様です。

梅雨は雨が続くと根腐れしてしまう場合もあるので、軒下などに移して管理すると良いです。

■雄木
雄木は実が生りません。メス木の受粉樹として利用されます。確実を狙うのなら雄木の購入が良いかもしれません。

■雌木
実が生る木です。結実している苗木や盆栽を購入するのが確実ですが、実が付いていない苗木を購入する際は、雄雌どちらなのか確認してから購入する事をお勧めします。

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