ザワワ~♪の歌で有名になりました、幾つかある砂糖原料のうちの一植物です。糖分の抽出だけではなく、絞った粕も様々な用途に利用されています。
サトウキビの特徴
イネ科サトウキビ属の多年草で、世界各地の熱帯や亜熱帯地域で広く栽培されています。
日本では沖縄県や鹿児島県の南西諸島で主に生産されています。
葉はトウモロコシのように幅広い線形です。茎は竹のように木化して節があります。茎の節間の内部は竹の様な空洞ではなく、糖分を含んだ髄となっています。秋には茎の先端からススキのような穂を出しますが、直立したままになります。その後サトウキビは成長がゆるやかになり、糖分を蓄えて収穫を迎えます。日本では1月~3月がその最盛期となります。
日本では生産歩留まりを少なくするため、本土向けサトウキビ育成品種として「黒海道(くろかいどう)」が創出されています。
和三盆という砂糖の原料として竹糖(ちくとう、たけとう)と呼ばれる茎が細いサトウキビがあります。収穫期で背丈は2mと低く、太さも大人の人差し指ほどしか無いので、一般的に作られているものと外観が異なります。地元では「細黍」と呼ばれており、江戸時代より伝わる在来品種ですが、他品種に比べ生産効率が劣るため、現在では四国地方のほんの数カ所で栽培されるのみとなっています。
精製方法で砂糖の名称が違います。
上白糖、三温糖とグラニュー糖はサトウキビやテンサイを原料に作られます。結晶と糖液に分離してつくる精製糖と呼ばれるものです。
上白糖やグラニュー糖は不純物が取り除かれたことで、無色透明な砂糖の結晶が光の反射によって、白く見ます。三温糖は糖液を煮詰めてカラメル色がついたものです。このほかに、結晶と糖液に分離せずに作られている含蜜糖には、サトウキビを原料にした黒糖や和三盆があります。
甘みが強い方から三温糖・上白糖・グラニュー糖の順になります。サトウキビ1本の重さはおよそ1㎏で、サトウキビ1本からとれる砂糖は約120gと言われています。スーパーで見かける1㎏入りの上白糖は、約8本のサトウキビからできあがっている事になります。
和三盆という砂糖
和三盆に使われているのは、竹糖という徳島県や香川県で栽培されているものです。
製造方法は黒糖と比べて手間がかかり、いくつも工程を経てつくられています。一つの工程に一週間かかるそうです。圧搾する作業と研ぎという糖蜜を抜くの作業を3回繰り返すことが多く、和三盆と呼ばれるようになったと言われています。
和三盆は上品でまろやかな甘みがあり、口どけが良いのが特徴です。落雁などの干菓子や羊羹などの和菓子に主に使われています。
かすの副産物
しぼりかすは「バガス」と呼ばれ、燃料として製糖工場の熱源や動力源になっているほか、バイオ燃料の原料や、畑の肥料、牛の敷料(牛舎に敷くもの)としても利用されています。また食物繊維が豊富な点を生かして、食品に利用する取り組み(ウージパウダーなど)や、バガスを使った糸で作ったアパレル商品なども注目を浴びているようです。
廃糖蜜を原料に発酵させてグルタミン酸などのアミノ酸から、調味料として製品化しているのものや、絞り汁や廃糖蜜からラム酒や黒糖焼酎など、蒸留酒の原料として用いられています。
育て方
強風で倒れても起き上がり、また水不足にも比較的強いため、自然環境が厳しい場所でも丈夫に育ちます。栽培方法や品種、天候などにもよりますが、およそ1年~1年半かかります。
春に植えてその年の冬に収穫する春植え栽培と、夏に植えて翌年の冬に収穫する夏植え栽培、そして収穫後の地下株から再び出る芽から栽培し収穫する株出し栽培があります。
ご自宅で収穫して楽しんでみましょう
生産地では茎の髄をそのまま噛んで食べたり、機械で汁を搾って飲んだりします。
食べる時は外側の硬い皮を歯で剥き、中の白く糖分に富んだ部分(髄)を咬んで汁を啜り、カスを吐き出します。汁を搾って飲む場合は、同様に皮を剥いたあと汁を搾ります(後述)。搾ったままの汁はやや青臭ですが、冷やしたりレモン汁を加えたりするとおいしいです。
現地では圧搾機で絞りますが、ご自宅では剪定バサミ等で茎を細かく切断して、すりこぎでつぶした後に、水を加えてジューザでさらに細かくした後、濾すと良いですよ。
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