観賞、木材、油、生薬、食用。日本人が愛したヤブツバキ(藪椿)

品種のご紹介

日本固有種です。一般的にヤブツバキを一般的に「ツバキ」と呼んでいます。雑交が多く、古くから園芸品種が作られてきました。亜種や近縁と言われる「ユキツバキ」とともに園芸用に選抜・改良されて、いまでは多彩な花の形、色の品種があります。

ヤブツバキの特徴

ツバキ科ツバキ属の常緑高木で、本州・四国・九州の海岸沿いから青森県まで自然に分布しています。樹高は高いものでは15 mにもなります。ただしその成長は遅く寿命は長い事もあり、木質は固く緻密、かつ均質です。樹皮はなめらかで灰白色で、時に細かな突起がまばらに出ます。

葉質は厚くて表面は濃緑色でつやがあり、裏面はやや色が薄い緑色で、表裏面ともに無毛です。花期は冬から春にかけて(2月 ~ 3月ごろ)で、早咲きのものは冬さなかに咲きます。花は紅色の5弁花で、下向きに咲かせます。 果実は球形で、中には黒褐色の種子が入ります。

ユキツバキはより内陸標高の高い位置にあってヤブツバキと住み分けています。主に山地に自生すします。北海道の南西部でも、各所の寺院や住宅に植栽されたものを見ることができます。ヤブツバキの亜種とか近縁種と考えられています。

観賞以外に、様々な用途があります

ツバキ油

実から採れる「ツバキ油」は有名で、高級食用油、機械油、整髪料として使われるほか、古くは灯りなどの燃料油としてもよく使われた。ヤブツバキの種子から取る油は高価なため、同じくツバキ属の油茶などから搾った油もカメリア油の名で輸入されています。

木材

木質は固く緻密、かつ均質で、木目が余り目立ちませ。摩耗に強くて摩り減らない等の特徴から、工芸品、細工物などに使われています。日本のツバキ大木はほとんど伐採され、最後の供給地として屋久島からも切り出されたが、現在では入手の難しい材です。

薬用

花は天日乾燥して生薬にし、葉は随時採って生を用い、果実は圧搾して油を採って利用されます。

食用

花を採って、根元側から甘い蜜を吸って楽しむ事ができます。また、天ぷらにすると、花密由来の甘味があり、食べられます。

育て方

鉢植え、庭植えともに日当たりのよい場所から日陰まで栽培できます。ただし、日なたでは西日の当たらない場所、日陰ではなるべく明るい場所を選びます。(みんなの趣味の園芸 より)

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