恐竜時代末期の6千万年前頃から6百万年前、いろいろな種類の杜仲が存在していたようで、世界の各地で杜仲の化石が見つかっています。今では中国原産の1種のみがたくましく現存しています。樹皮は漢方・医薬品に。葉は健康茶として有名です。また 寒冷地でも育つ天然ゴムの産出木としても利用されます。
植物の特徴
中国原産で雌雄異株の落葉高木です。葉はニレやケヤキに似た楕円形、花は緑色がかかった白色で、実は逢花です。
中国では杜仲の樹皮を煎じたものが、貴重な飲み物とされていました。しかし、樹皮は一度採取したあとは、再生までに長い年月がかかります。そこで、毎年収穫できる「葉」が研究され、効能が明らかになってきたことで、近年初めて有効利用されるようになりました。
杜仲の葉を原料にした杜仲茶は、日本で生み出されたものです。さっぱりとした飲み口で、身体にもいいとして知られる杜仲茶は、深緑の葉を摘み取り乾燥後、焙煎したものです。
■トチュウ(杜仲:トチュウ科)京都府立植物園 2015.8.12(約40秒)
京りんたろう 様
ゴムの原料にもなる
杜仲の生葉を裂いたり樹皮をはがすと、裂け目から白銀色の乳液が
糸を引くように現れます。
これは杜仲ゴムというゴム質の成分で、固まると樹脂状になる天然ゴムとして利用されます。寒冷地でも育つ天然ゴムの産出木としても知られており、日本にやってきた理由は杜仲のゴム採取だったという記録が残っています。
苗から葉を収穫して、自宅で茶を作ろう
苗木は日本各地で栽培可能です。 日当たりを好み、水は切らさないようにしてください。肥料は、春・秋に緩効性の肥料を月に2度程度与えるとよいでしょう。
■杜仲茶の作り方-ダイエットに最適!(約3分)
marronrecipe 様
最後に
トチュウの木は観賞用には向きませんが、健康茶を楽しむには大木に育てるよりも苗木を育てて、少量の葉で楽しむのが扱いやすいと思います。恐竜時代から存在し、氷河期を乗り越えた唯一の種が今のトチュウです。生命力を感じますね。
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