「清美」と「ポンカン」を交配させて出来た樹のうち、糖度13度以上で酸度1.0%以下の基準を満たし、日園連 傘下の農業団体を通じて出荷されたものだけが「デコポン」という名称を使う事ができるそうです。デコポンは全国統一糖酸品質基準を持ち、日本で唯一の果物の登録商標なのです。
不知火(シラヌヒ)の特徴
ミカン科ミカン属(カンキツ属)の常緑低木です。
清美タンゴールと中野3号(ポンカン)を交配して作られました。
果形は果梗部にデコが現われ不揃いになりやすく、果皮は見た目が粗く成熟するとややくすんでしなびるなどがあります。しかし果皮は厚いですが剥き易く、じょうのう膜も薄く袋のまま食べられ、種もほとんどありません。日持ちが良くて糖度が高く、食味にも優れる事から市場や消費者の支持を得て、栽培が増加しました。
露地栽培では初冬から翌春にかけて旬を迎えます。収穫自体は1月頃から行われていますが、それから約1~2か月ほどじっくり時間をかけて貯蔵して酸をしっかり抜いてから出荷されます。そのため、市場に登場するのが3月中旬以降になります。
「デコポン」は、量産に不向きと判断された歪な外見上の特徴を逆にセールスポイントにしようとして命名されたそうです。「デコポン」「DEKOPON」の商標登録が認可されており、種苗登録はされていないそうです。さらに「シラヌヒ」の親株由来の芽(珠心胚実生)の選抜成された品種や、枝変わりとして「大将季」などの品種なども作られています。
同じものが韓国へ渡って特産品となり、漢拏峰(ハルラボン)という名前で生産され、アメリカ・カルフォルニア州では、Sumo Mandarin(スモウマンダリン)の名前で栽培されています。
果実の品質管理のすごさ
不知火を光センサーでチェックして、糖度13度以上、酸度1.0%以下という基準をクリアし、さらに日本園芸農業協同組合連合会(日園連)と云う団体の傘下に有る全国各地の農協に流通させる事で、初めて「デコポン」の名前で出荷することが出来ます。
すなわち、これらの条件に達しないものはデコポンと言うことはできず、そのまま「不知火」の名前で出荷されたり、産地やお店オリジナルの品種名で販売させれることがあります。
まとめて買いした時は、冷蔵庫には入れずに常温で保管してください。皮の柔らかくなったものから順に召し上がって頂くと、デコポンの持つジューシーでプルプルの実を長く楽しめます。皮が未だ堅いものは酸味が強い傾向があります。
加工品のおいしい
ケーキや菓子に果肉が利用されたり、加工してジュース・ジャム・果実酒としても利用されます。
育ててみるのも楽しいですね。
最低気温が3度以上、平均気温が16度前後の地域が栽培に適しているので、関東より西の地域が地植えには適しています。
植え付けから4~5年くらいで実を付けるようになりますが、全ての実を大きくしてしまうと、株が消耗して翌年実を付けなくなってしまいます。7~8月頃に実が付きはじめたら、葉が80枚に対して果実1個の割合で残して、上向きや傷のある実小さい実は全て取り除きます。
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