宇治茶はなぜ高いのか、最新お茶事情

収穫

贈答用のお茶はお高い傾向がありますが、守られている伝統があり、おいしさも格別です。今回は宇治茶から始まり「茶」について考えます。

宇治茶とは

静岡茶、狭山茶と並び、宇治茶は日本三大茶と呼ばれています。宇治茶というブランド名を名乗るには、指定した地域( 京都府内や滋賀県、奈良県、三重県で採れる茶葉を使用したもの)で指定した製法で作られたものが名乗れます。宇治市に茶畑があまり見当たらないという方もいらっしゃる様ですが、実は製法に秘密があるのです。

茶葉の栽培は、「覆下(おおいした)」という日よけで日光の量を調節をします。日光が直接当たる露地栽培では「テアニン」と呼ばれる旨み成分が、渋み成分の「カテキン」に変化してしまうのをできるだけ防ぐ事で、旨み成分が残り宇治茶特有の甘みを持たせているそうです。

上の写真は露地で直接覆いを被せていますが、温室のように建物全体で囲って光を遮断させる所などでは、外からは何を栽培しているのか分からない為、茶畑が見当たらないと思われているようです。

植物からみたチャノキ

うま味を引き立てる製法によってつくられた宇治茶ですが、これらは皆様ご存じのチャノキという植物の葉を摘み取って作られます。紅茶、ウーロン茶、プーアル茶(黒茶)も全て同じ「チャノキ」の葉から作られ、製法が違うだけで様々なお茶が出来上がるのです。

葉の発酵過程から見ると宇治茶に代表される緑茶は、できるだけ発酵が進まない様にして作られるので緑色のままですし、時間をかけてじっくりと酵素による発酵を進める事で、紅茶は色と香りを出しています。ちなみにセイロンティーはスリランカ産紅茶の総称で登録商標でもあります。

参考:茶摘み体験、茶葉作り、フレーバーティの楽しみ方

ジャスミンティー(花茶)はフレーバーティーの一種で茶葉に香り付けをする事で、お茶の楽しみ方に広がりを持たせています。台湾で代表的な凍頂烏龍茶も独特な製法により、フルーツの様な華やかで深みのある甘みと香りが楽しめます。これらもみんな「チャノキ」から作られるのです。

本来のチャノキとは

世界各地で茶畑がありますが、葉を効率良く生産するために背丈が低く、人が刈り取りやすい様に剪定されています。しかしもともとチャノキは山々にひっそりと生きていた植物です。原木は建久2年(1191年)に中国から日本に持ち込まれましたが失われ、その後改良された品種の原木を日本で見る事ができます。

参考:巨木学  著者・発行者・宮 誠而

主なチャノキの巨木
  • 静岡県藤枝市瀬戸ノ 谷(藤枝の大茶樹)
  • 佐賀県嬉野市嬉野町不動山(嬉野の大チャノキ)
  • 静岡県静岡市駿河区谷田24(やぶきた原樹)
  • 鹿児島県霧島市牧園町宿窪田2647(日本一の大茶樹)
  • 鹿児島県霧島市牧園町持松稼原(大茶樹公園の大茶樹)

現在では、それぞれお茶の特性を出しやすい様に、葉の特性に特徴をもった沢山の「チャノキ」品種が作られており、農業試験場などで茶摘みの季節などにお披露目している所もあります。紅茶に特化した日本産品種もあります。

本来のおいしさを追求している所もある

実は今でも中国の山奥ではチャノキの原木があり、少数民族が茶葉を摘み取っている所があったり、手間暇かけてチャノキを育て高級ブランドティーを生産している国がある一方、日本では化学肥料を多く使い、大量生産、コスト削減で茶葉を生産している現実があります。味に違いが出てもおかしくありません。

最近では農家の高齢化に伴い、特に山奥の茶畑放棄地が増えています。そこを買い取り自然農法でお茶を生産・販売にチャレンジしている所もあります。放棄してからそれなりの時間が経過しているので、従来与えられていた化学肥料成分が抜け落ち、本来チャノキが持っている生命力が回復してたくましく生きる木から葉や枝を切り取り、お茶にしているのです。

最後に

お茶の文化はとても古いですし、人との関わりはこれからも続くでしょう。製法は世界各地でいろいろあり、流通が発達して私たちはたくさんのお茶を楽しむ事が出来るようになりました。またお茶以外にも茶粉末を利用した菓子、麺類などにも多用されて、需要は茶を超えている勢いです。これからも応援してゆきたいですね。

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