バニラ、今、国内生産が熱い

品種のご紹介

小さいころ、バニラエッセンスの香りにわくわくした。世界的な流通網が発達し、今ではバニラビーンズの入った菓子類が簡単に手に入るようになった。そして、今、国内産のバニラビーンズが商業生産に乗りつつある!

バニラ

バニラとは? 植物としての特徴

ラン科バニラ属のツル性植物です。熱帯植物なので日本では、植物園の温室で花やインゲンマメのような房が出来ます。木などに絡みつきながら成長し現地では60mを超えるほど成長します。 110程あるバニラの種類のうち、バーボンバニラとタヒチアンバニラの2種類のみが商業用に使われています。 最近は観葉植物として班入りのバニラ苗なども国内で入手ができます。

班入りのバニラ

香り付けで有名なバニラビーンズは、このバニラ苗から収穫される豆( 種子鞘 )を加工して作られます。収穫した 種子鞘 は「いわゆるバニラの香り」が全くありません。これらをキュアリングと言って、何度か発酵と乾燥を繰り返すことによて、香り良いバニラビーンズが出来上がるのです。

バニラの花(1日ほどで枯れてしまう)
バニラビーンズ

バニラは受粉しないと、実ができない。

自然界では、ハリナシバチやハチドリ以外の媒介者がバニラを受粉させることはないと考えられています。この蜂は 中央アメリカの固有種であるため、 バニラの苗を原産地から持ち出して他の地域で育成する試みは失敗に終わりました。

しかし1842年、当時12才の奴隷の少年が人口受粉法を編み出し、それ以来ハチに頼らずに人口受粉をすることで効率的に大量生産が出来るようになったのです。

話はそこで終わりません。熱帯植物の多くは九州や沖縄で栽培できるものが多いです。日本でなんとか生産できないものかと目を付けた人物が居ました。バニラはラン科の植物。ランの生産を行っている福岡県久留米市の「金子植物苑」金子茂さんがラン栽培をヒントにして試行と改良を加えて、日本での人口受粉やキュアリング方法を確立されました。

今では「久留米バニラビーンズ」として有名になりました。 国産の一番の強みは水分が残る状態で国内流通できることだそうです。生産・流通の過程で飛んでしまう水溶性の香り成分を残すことができ、より繊細で複雑な香りが楽しめます。
九州を中心に洋菓子メーカーなどに売り込み、国産バニラを使ってもらえるところが増えてきているそうで、 国産バニラビーンズの質が評価され 伊勢丹など有名店でも販売もされるようになってきました。

今では、各地で生産を試みる所が増えてきており、大規模生産を目指す農家から喫茶店に自前のバニラビーンズを目玉商品として生産を研究する小規模なものまで生産に取り組み始めている人が増えています。

参考  有限会社 金子植物苑 ブログ国産バニラのページ

観葉植物として、苗も販売されている。

熱帯植物ではありますが、冬は家に取り込んで越冬させることができます。ただし、ある程度株が大きくならないと開花せず、人口受粉をしなければ豆はできないことも知った上で楽しんで育てるのは良いと思います。 バニラ生産の場合は、適正気温は摂氏28℃ですが、21℃から30℃までは許容範囲です。

まだまだ流通量が少ない国産。海外のAランク品が良いかも。

量産まで届かないため、現在の通販では未だ国産のバニラビーンズは手に入りません。 バニラビーンズは世界で最も労働集約的な作物である為に高価です。タヒチアンバニラは生産がより困難なため、国際上での定価は常にブルボンバニラより高めとなっています。

■【最高級マダガスカル産ブルボン・バニラビーンズをお届けします!!】
オーガニック認証・無農薬の安心安全・完熟バニラビーンズです。 近年バニラビーンズは価格高騰により完熟する前の早摘みがほとんどです。それに比べて最後まで手間暇かけて成熟させたバニラビーンズは、バニラ特有の風味や香りの成分「バニリン」含有量がとても高く品質の良い物となります。

■タヒチ種
タヒチ産のバニラビーンズは世界のバニラ生産量の1割しか流通していない為、希少性が高く、日本でもなかなか手に入りません。 馴染みのあるブルボン種のバニラビーンズに比べて、バニラビーンズ特有の優しくて甘い香りの中にスパイシーで南国の花を思わせるような香りを含んでいます。

最後に

日本の精密な工程管理で出来上がったバニラビーンズは、世界の最高級品になる可能性を秘めています。現在は流通量が少ないので、マダガスカル産やタヒチ産の高級品が入手できますが、ゆくゆくは世界最高品質のバニラビーンズを生産できるようになるかもしれませんね。

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