トウガラシ・ハバネロ・シシトウ・チリペッパー 何が違うの?

品種のご紹介

いろいろな名称があるトウガラシ属の植物たち。鑑賞用や食用、香辛料、保存料、防虫、薬用など多種多様な人との関わりがある植物です。名称・分類を確認して、納得、すっきりしてから、楽しみませんか?

トウガラシの特徴

ナス科トウガラシ属の多年草または低木で、日本などの温帯では一年草として扱われます。
メキシコ原産と言われており、果実は香辛料や野菜として利用されます。

草丈は40 – 60cmくらいで、茎は多数に枝分かれします。葉は互生して柄が長く卵状披針形です。

7 ~ 9月頃に白い花を付けます。花の後に上向きに緑色で内部に空洞のある細長い5cmほどの実がなります。果実は熟すると赤くなりますが、品種によっては丸みを帯びたものや短い形状で、色づくと黄色や紫色になるものもあります。

植物学上、トウガラシは「ピーマン」、「パプリカ」、「シシトウガラシ(シシトウ)」と同種の植物に分類され、ピーマン・パプリカ・シシトウともトウガラシの栽培品種になります。

一般的には、果肉が薄く甘味があるベル型の中果種をピーマン、甘味がある果肉が厚い大果種をパプリカとよび、辛味のない小果種をシシトウガラシ(シシトウ)、辛味があり香辛料として使われる小果種がトウガラシと呼んで区別しています。

幅広い利用用途

皆さまご承知の通り、トウガラシ類はたくさんの利用用途がありますね。
整理のために、まとめてみました。

ご存じ「辛い~」香辛料として

辛さは「スコビル値」という値で辛さの優劣を比較しています。
これはトウガラシをエキスにし、その辛さを感じなくなるためには何倍の砂糖水に溶かさないといけないかを表す単位比較されています。

2019年の時点で世界で最も辛い唐辛子としてギネス世界記録に登録されているのは「ドラゴンズ・ブレス・チリ」で2017年に「キャロライナ・リーパー」の記録を更新しました。

【キャロナイナ・リーパ】

トウガラシといえば日本では一般的に「鷹の爪」や「一味」、「七味」、カイエンペッパーなど乾燥させた形で使われることが多いです。国内でもハバネロやハラペーニョなどの海外品種の栽培も各地で行われるようになってきました。鷹の爪をはじめ、そういったトウガラシ類は夏から秋に収穫されます。

【加工品の 七味 】

【ババネロ】

薬用

アルコールなどを加えてチンキにした、トウガラシチンキの製薬原料としているそうです。エキスにして温湿布剤に配合したり、筋肉痛、凍傷、養毛に利用されています。

防虫・殺菌効果

防虫効果がある事が古くから知られており、書物の保存や物品保存などにも使用されてきたそうです。タンスなどの衣装箱に入れると防虫剤になるそうです。またコメの保存など食品保存に用いられています。ぬか漬けに「鷹のツメ」を入れるのもカビ防止の意味があります。トウガラシを焼酎に漬け込んで害虫忌避効果がある自然農薬として利用する事もあります。

食用

ししとうや唐辛子は葉まで食べることができます。実以上にビタミンやカロテンが多いです。
葉は、実ほどではありませんがピリッとした辛みがあり、佃煮にしたり、油で炒めたりするとご飯に合います。やわらかい葉を利用するので、さやが5cmぐらいになったら株ごと引き抜いて収穫するのが一般的ですが、それだと実の収穫も終わってしまうので、1回の収穫量が少なくてよければ、赤い実を収穫し終えたあとの若い葉を利用してもよいでしょう。

観賞用

果実の色や、葉色が綺麗なものは観賞用としても流通しています。中には葉が食べられるものもあります。

育て方

高温性で暑さに強く、日本の夏を元気に乗り切り、秋まで収穫できます。日当たり、水はけのよい肥よくな土壌を好み、比較的病害虫も少なく、栽培しやすい果菜です。若い株のうちに霜にあうと枯れてしまいます。苗作りの時期はまだ寒いため、温度管理に注意しましょう。栽培適温は20~30℃です。

ナス科野菜の連作を避けて、高温性なので5月の大型連休ごろから植えつけます。長期間栽培するので追肥や土寄せをこまめに行うことが大切です。中心の枝1本とわき枝2本の3本仕立てにします。

唐辛子は一年草と思われがちですが、冬の間、室内やビニールハウスで移植管理すれば、翌年も栽培可能です。一番果より上の部分を剪定し、茎部分を残しておけば、翌年脇芽が出てきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました