チューリップに似た花、秋の黄葉が美しい。ユリノキ。

品種のご紹介

5~6月ごろにチューリップのようなクリーム色とオレンジ色の花を咲かせます。大きな枝を整然と広げる樹形が美しく、日本の気候にも合っているので、公園や学校などに植えられたり、街路樹としても広く利用されます。秋には葉が黄色に色づき、美しいです。

花を浴槽に浮かべたくなる!? ユリノキの特徴

モクレン科ユリノキ属の落葉高木で、アメリカ中部及び東部(アパラチア山脈)が原産です。
樹高は20m以上になり、原産地では60mにもなるそうです。

葉は直径15センチ程度の大きさで、職人が身にまとう半纏(はんてん)に似ていることから「ハンテンボク」とも呼ばれています。葉を揉むと独特の香りがあります。

葉が展開した後の5~6月ごろに、樹冠上部にチューリップに似た大型の花を上向きに咲かせます。花の色は黄緑色を帯びて、基部に橙赤色の斑紋があります。アメリカでは上質の蜂蜜がとれる蜜源としてよく知られています。植えてから8~10年ほど経つと花が咲き始めます。

花が咲いた後に、ローソクの炎のような集合果を上向きにつけます。一つの花に約100個の実がなります。その一つ一つの実は翼果で、扁平の翼状になってマツカサ状に集まり、直立しています。カエデの種子のように風で分離され、クルクルと回転して散布されます。一本の木は毎年、何百万粒もの種子をつけますが、不稔種子が多いそうです。自花不和合性が強く、自家受粉する力が極端に弱いのです。

秋の黄葉が美しく、実は落葉後も花の蕾のような形をして枝先に残ります。

近縁種として、ユリの木よりも小さくて花弁の緑色が濃く、オレンジ色の模様が入らないのが特徴の「シナユリノキ」があります。またユリノキの園芸品種として、葉に模様が入る「斑入りユリノキ」があります。

木材、蜂蜜と意外な利用用途があります。

木が大きく育つと樹皮が非常に分厚くなり、熱や火に対する耐性が増します。
材は軽さの割に非常に優れた強度をもちます。まっすぐで美しく、加工しやすいので、楽器、建材、家具の引き出しの内張、ベニヤ板に利用されています。

大形の花は、たくさんの蜜を出します。
養蜂家から「黄金の木」と賞賛され、ユリノキ蜜(黄金蜂蜜ブランド)などの名称で商品化されています。

シンボルツリーとして

大きくなる木なので庭木には適しませんが、目的の高さに達した時点で梢(頂点)を切り落としてそれ以上伸びないように芯を止めれば、本来の樹形にはなりませんが楽しむ事ができます。
また、接ぎ木をすれば鉢植えでも花を咲かせることが出来ます。 (リンク先:樟蔭学園 HP)

陽樹なので、日当たりの良い場所でよく育ちます。
湿り気のある土壌を好み、乾燥地では不向きです。直根性である程度生長した木は移植しても根付かないので、植える場所は十分考えましょう。植え付けは落葉期に行いますが、厳寒期はできるだけ避けます。耐寒性はありますが、小苗は頂点の芽が寒さでやられることがあります。寒冷地で小苗を植え付けた一年目の冬は頂点の芽を守るように防寒を行いましょう。

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