神社などに「鎮守の森」として大木で見られる事もあり、広葉樹林の代表的な樹です。防風や神事に使われるだけでなく、さまざまに利用されてきました。タブノキの特集です。
タブノキの特徴
クスノキ科タブノキ属の常緑高木です。高さは20メートルほどで太さは1メートルに達する場合もあります。若い枝は緑色で、赤みを帯びます。葉は枝先に集まる傾向があり、葉は長さ8 – 15センチメートル、倒卵形で革質で硬く、表面はつやがあって深緑なのが特徴です。東南アジア、中国南部から日本の沖縄、九州などの海岸林に多く分布します。
花期は4 – 6月で、黄緑色であまり目立たない花を咲かせます。8 – 9月ごろ球形で黒い果実が熟し直径1センチメートルほどになります。実は同じクスノキ科のアボカドに近い味がしますが、食べれる部分が少なくエグ味があるので実用的ではありません。防風樹としても利用されます。
お線香の原料として有名です
枝葉には粘液が多く、乾かした後に粉にするとタブ粉が出来ます。タブ粉は線香や蚊取線香の材料の1つ(粘結材)として用いられています。樹皮や葉は染料にも利用されます。材は建築・家具などに使われ、部位により心材(紅褐色)と周材(褐色)と傾向が違います。より赤いものを「ベニタブ」、淡色を「シロタブ」と呼んでいます。
染料としてのタブノキ
八丈島では「黄八丈」の染料として使用されるそうです。椿の灰汁を媒染として灰色に染まるそうですよ。
最後に
タブノキとクスノキは同じクスノキ科で、見た目がとても似ています。名札が付いている何方かの樹を良く観察してから比較すると分かりやすいです。タブノキはクスノキよりも葉や花が大きく、樹皮の模様も違います。親しみを持って日々観察すると、思いがけない事が判って楽しいかもしれませんね。
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