クリスマスが近くなると、お店に賑わうポインセチア。季節が終わって、さあどうしよう。意外と冬越えした元気なポインセチアをお持ちの方もいらっしゃるのでは。赤い葉を取り戻す方法と、最新のポインセチアをご紹介。
植物の特性
トウダイグサ科トウダイグサ属の常緑性低木です。学術上の名称は、ショウジョウボクと呼ばれています。クリスマスの時期に見られる、赤や白などに色づいた部分は花と間違えられがちですが、これは苞(ほう)と呼ばれ、花のまわりにつくられます。花は苞の中心にある黄色い部分になります。ポインセチアは日が短くなると花芽ができる短日植物で、自然条件では10月下旬から花芽分化が始まります。
実はポインセチアは熱帯の植物です。 原種はメキシコからグアテマラにかけて分布しており、背が5mを超えます。店で売られているポインセチアは、原種を矮性化されたものだったのですね。沖縄等では矮性の園芸種を露地植えして多少大きくしたものを見る事ができます。
冬越え成功したポインセチアはどうなるの?
日本の気候の場合は、何もせずにクリスマスを迎えるとほぼ何も変化せずに青い葉が付いているだけになる事が多い様です。日本の場合は夏を過ぎた頃から積極的な「短日処理」を行わなければ、購入した当時の様な綺麗な状態にすることは難しいのです。
一定の日光に当てたあと日光を遮断することで冬が訪れたと錯覚させ、葉っぱを赤く変化させる作業のことを「短日処理」と言います。ダンボールなどの光を遮る箱が必要です。
短日処理は、色をつけたい時期の約2ヶ月前にからはじめるのが良いと言われます。毎日17時~翌朝7時まで、段ボールなどで覆い、布を被せて日光や蛍光灯の光をしっかり遮断します。長く赤い色を楽しむために、9月の中旬くらいから短日処理を行うのがおすすめです。ポインセチアは意外と敏感なので、この処理を数日さぼってしまうと、うまくいきません。 近年発表される園芸品種は、自然条件でも早くから色づくように改良されてきている様ですよ。
増やすのに注意が必要な品種もあるぞ
最近は高さ10cmくらいの超矮性ポインセチアや、きれいな班入りなど目を見張るものがあります。ポインセチアは、挿し木で容易に増やせる特性があるのですが、実は法により勝手に増やせないものもあります。新しい品種を発明した人を保護するために種苗法という法律があり、登録された品種はある期間までは勝手に増やす事ができない事になっています。そのような植物には大概「勝手に増やす事は法により禁止されています」等のレッテルが貼られています。そのような場合は自然に増えた場合でも、他人におすそ分けする事は良くありません。
加工してさらに珍しさを強調する製品も
最近はラメを付けたり、白い包に人工的に着色して魅力あるポインセチアにして売られている事もあります。ここまでくると不自然なポインセチアになってしまうかもしれませんが、これはこれで美しいのかもしれませんね。
最近のポインセチア
乳白色、淡い黄緑、ピンに着色したものの他に、様々に色にのものを見る事ができます。
扱いに注意しないとかぶれる事もある
ポインセチアが分類されているユーフォルビア属は、葉っぱや幹を傷つけると白い樹液を出すという特徴があります。この白い樹液は、ホルボールエステルなどの毒性を含んでおり、皮膚が弱い方が触るとかぶれることがあります。剪定や植え替えなど樹液に触れそうな作業のときは、手袋をして作業してください。万が一触れてしまったときは、慌てず流水で洗い流しましょう。
【HORTI by GreenSnap 様より抜粋】
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