秋になると赤いガクと紫の実を持つ面白い木がある。葉を触るとカメムシの様な香りがするので「臭い木」という残念な名前が付いた。道端で良く見かけるこの植物について話そうと思う。
クサギ とは
日当たりのよい原野などによく見られるシソ科クサギ属の落葉小高木です。花は8月頃咲き花弁は白、がくは緑色から次第い赤くなり甘い香りがあります。 実は紺色の液果で秋に熟しガクが赤い事もありよく目立ちます。
日本では北海道から九州、琉球列島まで分布し、国外では台湾、中国まで分布がある様です。
葉は特異なにおいがあるが、茶の他に、ゆでれば食べることができ若葉は山菜として利用されます。収穫時には臭いが鼻につきますが、しばらくすると臭いを感じなくなります。果実は草木染に使う場合は珍しく触媒なしで絹糸を鮮やかな空色に染めることができます。赤いがくからは鉄媒染で渋い灰色の染め上がりを得ることができます。
■【マイナー山菜】クサギの佃煮を作ってみた(10分弱)
くーねる 様
園芸種もある
日本でクサギそのものが栽培されることは少ない様ですが、栽培は容易です。繁殖は挿し木、株分け、根伏せなど。種子以外に根からの不定芽でよく増えます。また、観賞用に同属のヒギリ、ゲンペイクサギ、ボタンクサギなどがあるので、観賞しながら、この後の章でお話する藍染めにもチャレンジ出来るかもしれませんね。
藍色に染めてみる
クサギは媒染をしないとてもまれな染材です。普通は媒染という作業がありますのでその工程は省くことが出来ます。
おしまいに
残念な植物の名前として「ヘクソカズラ」というものがありまして、これもかわいそう。小さい野の花でかわいらしいと個人的には思っています。「イヌ」、「カラス」、 「カズラ」、 「チョウセン」、「トウ」など植物名前に付けられる言葉にも由来があり、実は調べてみると面白いです。
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