柑橘類ではもっとも寒さと病気に強いことで知られおり、枝には長さ5センチにも及ぶ鋭い棘があり、防犯を目的に垣根として利用されることが多いです。また、丈夫な性質を持つためミカンの台木として使われています。実は食用には向きませんが、種は薬用となります。
カラタチの特徴
ミカン科カラタチ属の落葉低木です。中国北部あるいは中部を原産地とするミカンの仲間です。
樹高は2 ~ 4m程度で、枝は緑色で稜角があり、3cmにもなる鋭い刺が互生します。
葉は互生して、3小葉の複葉で、葉柄に翼があります。小葉は4 – 6 cm程の楕円形または倒卵形で、周囲に細かい鋸状歯があります。
4月の始め頃の葉が出る前に、3 – 4 cm程の5弁の白い花を咲かせます。花には芳香があります。
花のあとに、径3 – 4 cmの球形で軟毛がある緑色の果実をつけ、秋には熟して黄色くなりますが、果実には種子が多く、強い酸味と苦味があるため食用になりません。
変種として、枝やトゲが湾曲するヒリュウ(飛竜)や、枝やトゲの湾曲がヒリュウよりもさらに激しく成長も極めて緩慢な「香の煙」があります。どちらの品種も「雲龍カラタチ」の名前で販売されていることが多い様です。
接ぎ木として
柑橘類ではもっとも寒さと病気に強く、たくさんの根を生じ土中に張る性質があります。
反日陰でも育ち、暖かな気候を好む柑橘類の中では、北方でも栽培できます。このような性質を持つカラタチは、他の柑橘類の台木として利用され、早い年数で多くの実を収穫できます。
日本の農家で生産する柑橘類の95%以上の木が、カラタチに接ぎ木して栽培されているそうです。
育て方
暑さ寒さ、乾燥に強く、北海道西南部から沖縄までの広い範囲に植栽できます。日向を好みますが半日陰程度なら耐えられる。土質は選びませんので育成が簡単です。
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