夏は、目や音で涼むという日本の文化があります。音では風鈴が涼を呼び、シノブを使った「シノブ玉、吊りシノブ」は、目にも涼し気です。江戸時代から作られているこの手芸材料の主役のシノブに迫ります。
シノブとは
着生のシダ植物です。茎は太くて長く伸び、表面は褐色の鱗片が一面にはえます。茎は樹皮に根で張りつき、枝分かれしながら樹皮に絡んで広がり増えます。 葉は冬に落ちる落葉性ですが、南西諸島のものは常緑です。
日本では、北海道の一部から琉球諸島にかけて生育しています。 近年は、より葉が分厚く、台湾産の種である常緑のトキワシノブが栽培されています。
観賞用としてのシノブ シノブ玉、吊りシノブ
吊りしのぶとは、竹やシュロの皮などを芯としたものにシダ科の植物しのぶを這わせたしのぶ玉を軒先などに吊るしたものを指します。
吊りシノブは江戸中期頃の庭師がお中元として、得意先のお屋敷に配ったのが始まりと言われています。スタンダードな丸い形のしのぶ玉のほかに、井桁や縁起物の帆掛け船を模したしのぶ玉も有名です。
吊りシノブを作ろう
シノブ、コケ、シュロを購入してご自分で、シノブ玉を作る事もできますし、お気に色の「吊りシノブ」を購入して涼を楽しむのも良いですね。シノブにも多少品種がありますので、それぞれの個性を知って作ると良いと思います。
シノブ盆栽
最近は「吊るす」以外にも、盆栽の様にお皿に載せて観賞するのもあります。
最後に
僅かな風にゆっくり回る、吊るしシノブ。見ていて涼しく感じるのは日本人の感性でしょう。シノブは強い日光に直に当たらない環境で、冬は霜があたらない所であれば、露地で越冬が出来ます。風鈴、打ち水、吊るしシノブ。暑くても良い季節です。
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