鉢植えで楽しむ山野草として、イワタバコを代表とする、イワタバコ科の植物たち。けなげで種類が多いので、鉢栽培で楽しむ方が多い一方、露地植えして観賞の他、山菜として楽しむ方もいらっしゃるようですよ。
植物の特徴
イワタバコ科は、世界の熱帯から亜熱帯(一部は温帯)にかけて分布しています。
日本には、イワタバコという日本原産で1種1科の多年草が自生しています。
イワタバコ科の植物は、ほとんどが多年生の草木(一年生もあります)ですが、一部低木があり、ごくわずかに高木もあります。岩肌(イワタバコなど)や他の樹木に着生するものもあります。
イワタバコは、日の当たらない湿った岩場などに生え、タバコに似た形の葉をつけるのでこの名前が付きました。夏に葉の間から花茎を伸ばして、星形をした紅紫の花を下向きに咲かせます。
福島県から関東の以南、沖縄、台湾の山地に分布します。花期は夏の6~8月頃です。葉あいだの根元から高さ5~30 cmほどの花茎を伸ばして淡紅色か紅紫色もしくは白色を4から5つ下向きに咲かせます。
1株に葉が2~3枚しかつかないうえ、岩場のため根が生育しにくく、繁殖力が弱い植物です。
山菜としても楽しめる
もともと山に自生しているイワタバコを山菜として利用されていましたが、もともと繁殖力の弱い植物なので、乱獲されたり根を傷められたりすると、群生地での絶滅の恐れがありますので注意が必要です。
山菜として食べるなら、葉ざしをして株を増やしましょう。5~6月に大きな葉を半部から3分の1に切って挿して、葉元に小さな芽が出てくるものを育てると良いです。
若葉は食用にされており、山菜として古くから利用されてきました。若葉を軽く茹でて水にさらした後、汁の実、お浸し、佃煮など、ほろ苦みを楽しむ山菜料理として利用されたり、葉面の水気を取った後に天ぷらとして楽しまれてきました。
■イワタバコの花(約1分半)
With24/鹿児島の風景 様
育て方
短時間でも直射日光を受けると葉焼けしますので、直射日光が当たらず、強い風が吹き込まない日陰で育てます。空中湿度は高いほうが適しています。鉢植えは、70~80%の遮光をした涼しい日陰で育てましょう。
乾かないように常にある程度の湿り気を保つようにしましょう。鉢底を浅い水につけて腰水にしておくか、底面給水にすると良い様です。
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