シンビジュームの超能力者! 女王を呼ぶキンリョウヘンに迫る

品種のご紹介

日本ミツバチを呼び寄せる植物として、キンリョウヘンという植物が注目されています。これを利用して分蜂したミツバチ群をおびき寄せ、鉢箱に女王蜂を含む蜂たちを誘導する事ができます。鉢箱とキンリョウヘンを用意して、あなたもやってみませんか?

キンリョウヘンとは?

私たちがよくお店で購入するハチミツは、「西洋ミツバチ」がせっせと集めてきた蜜なのですが、中にはプレミアとして「日本ミツバチ」のハチミが販売されている事があります。
今回は2日に分け、前半は日本ミツバチを呼ぶ植物「キンリョウヘン」をご紹介し、後半(明日)は、「あなたも蜂蜜ゲット。キンリョウヘンを使った【待ち箱】」についてご紹介します。

【セイヨウミツバチ】

そもそも、キンリョウヘンとは?

キンリョウヘン(金稜辺)は、中国原産の小型のシンビジューム(ラン)の一種です。花から発するフェロモンがニホンミツバチを呼び集めます。
また、キンリョウヘンと同様にシンビジュームの仲間で、「デボニアナム」という品種(原種)もニホンミツバチを呼び集めるのだそうです。

後で述べますが、ニホンミツバチの分蜂の時期と、開花時期が近いのはキンリョウヘンとなります。不思議ですね。

そもそも、ニホンミツバチとは?

ミツバチは、ミツバチ科ミツバチ属に属する昆虫の一群で、花蜜を加工して巣に蓄え蜂蜜とすることで知られる昆虫です。
既に化石となり現存しない種もありますが、トウヨウミツバチというアジアに生息する種類の一つがニホンミツバチです。

【ニホンミツバチ:中央の複眼が大きいのは オスバチ】

なぜフェロモン(キンリョウヘン)が必要なのか

帰巣本能が強く家畜として飼育しやすいように改良されてきたセイヨウミツバチと異なり、野生種のためハチそのものは販売される事がほぼ無く、巣箱に誘導する手段がどうしても必要となるからです。

ニホンミツバチは毎年春に1つの群れが2群に分かれ、1群は新しい巣を見つけて移動します。これを分蜂といい、新しい巣へ飛び立った群れを捕獲します。その誘導に必要なのがキンリョウヘンです。

【分蜂後、近くの木で一休みするニホンミツバチ】

キンリョウヘンは中国原産で、ニホンミツバチを含むトウヨウミツバチは、そのフェロモンに誘われて集合しますが、セイヨウミツバチには効果はないそうです。

育て方

ランの中で栽培しやすい種類で耐寒性もあり、初心者でも手軽に栽培できます。性質も丈夫で手を掛けすぎず、過保護にしない方がよく育ちます。以下の基本的な管理方法で開花させましょう。

よく日光に当てる

蕾は日光に当てないと開花せずに落ちてしまうことがあります。冬は室内の窓ガラス越しで十分日差しが注ぐ場所で管理し、5月以降は屋外の木陰など葉焼けしない程度に日光が当たる場所で管理するか、遮光ネットを利用して30~50%の遮光で管理するとよいでしょう。

水やりと施肥はメリハリを効かせる

初夏~夏の間は水をたっぷり与え、春と秋は表土が乾いたら与える程度にし、冬の休眠期は1週間に1回程度に控えます。11月以降、 肥料は与えなくてOK。メリハリある水やり、施肥が株を健やかに成長させるコツです。

病害虫の防除

風通しが悪く乾燥した環境はハダニが発生しやすく、ナメクジやアブラムシがつくこともあるので、見つけたらすぐに取り除いてください。
蕾がベトベトしていることがありますが、これは蜜を分泌しているためで病気ではありません。ただしこの蜜にアブラムシが集まりやすいので、特に蕾はよくチェックしましょう。

植え替え

植え替えは花が咲き終わったらできるだけ早く行います。5月下旬までに終わらせましょう。古いバルブが多く草姿が悪い場合は、3~5バルブに株分けして植え付けます。古く腐った根は取り除き、葉のないバルブも整理しておくとよいでしょう。

開花時期の調整

分蜂時期に花が咲いていなかったらハチを呼ぶ効果がありません。
ニホンミツバチの分蜂は地域によって異なり、九州の暖地などでは3月中旬から始まります。
4月上旬に分蜂する地域が多いですが、キンリョウヘンの開花時期は4~5月となります。以下のポイントで開花調整をしてハチを迎えましょう。

寒さにしっかり当てよう

花芽は11月くらいに発生しています。開花を促すには一度寒さに当てる必要があります。11月初めから霜が降りるぎりぎりまで、屋外で管理して寒さを体験させます。
この時期に温かい環境だと株が冬の到来を感知せず、開花が遅くなります。開花を遅くしたい場合には、早めに室内に取り込むとよいでしょう。

室内温度は高くならないように

屋外で寒さに当てた後、室内の日当たりが良い場所で管理します。温かくなりすぎると蕾が咲かずに落ちるてしまう事があります。最低気温が14~15℃くらいまで下がるような環境で管理しましょう。
寒さに弱くないので、玄関など夜間は冷える場所でもかまいません。乾燥には弱いので注意しましょう。

花の数は少なめに

9~10月に新芽がたくさん伸びてきます。伸びた新芽をそのまま成長させると花はたくさん咲きますが、芽の充実が遅れるため開花時期も遅くなります。1バルブにつき1芽を残し、あとは取り除く「芽かき」をしてください。花芽が伸びてきたら、支柱を添えて補強しておきましょう。

苗のご紹介

初めての方は開花までのノウハウが経験として無いと思いますので、まずは花芽付きの株を購入して開花の醍醐味を楽しんでから、いろいろと品種を取り寄せて研究されるのが良いと思います。
花芽付き株は丁度今頃に購入して開花調整すると、うまく分蜂時期に合うと思います。

キンリョウヘン 金稜辺 日本ミツバチを集めるお花 花芽つき 5号
【山野草】キンリョウヘン
日本ミツバチ―在来種養蜂の実際 (新特産シリーズ) 単行本
日本ミツバチに学ぶ 働き蜂と女王の社会 (団塊世代養蜂報告第3弾) 単行本 – 2019/1/30

終わりに

野生種でるニホンミツバチは、意外にも日本国内で見る事ができます。
見慣れた方であれば、花で蜜を吸うハチが、セイヨウミツバチなのかニホンミツバチなのか判るようになります。

次回の「あなたも蜂蜜ゲット。キンリョウヘンを使った【待ち箱】」を読まれて、江戸時代から庶民に親しまれていた「ニホンミツバチを飼う事」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。バナナんぼは、クマのぷーさんのように蜂蜜を沢山堪能できました。

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