ウルシの不思議と、文化保全の必要性

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秋になると赤く色づく、ウルシの木や蔦。かぶれる人もいるけど、漆塗りの輝き、保存力の強さは過去の遺跡の発見で証明されています。植物としてのウルシ、加工品としてのウルシをもう一度見直してみて、歴史の保全を考えたいものです。

ウルシの紅葉

ウルシの特徴

ウルシ科ウルシ属の落葉高木です。
漆塗りの原料として、樹木に傷をつけて樹液を収穫します。アジアが原産で日本へは自生説と大陸輸入説があります。縄文時代の各地からウルシ塗の作品が出土している。また秋に出来る実は、ハゼノキ同様に木蝋の原料にもされます。同じ属のツタウルシはツル性で木につかまりながら成長する。いづれも秋には紅葉するので見つけやすいです。

ウルシの実

ウルシ塗の歴史

漆は保存、接着、色付けに重要な役割をもっていますが、現在は9割以上が中国からの輸入に頼っています。日本の職人が少なくなっているのが現状です。
ウルシの木が減ってきている現状で、ウルシ掻きだけで生計を立てるのが難しい現状があります。

■ウルシ掻きの概説(約28分)
漆の木に傷をつけ、ウルシの汁を採取します。

丹波の漆かき ~いまに伝えられる漆かきの技術~  普及編

漆職人の紹介(約6分)

【匠の技】漆(うるし)職人 山口 敦雄 えどコレ!江戸川区伝統工芸

日本でも新たな動きがある。応援したい。

日本のウルシ職人が少なくなってゆくなか、新たな動きもあります。若手の職人さんが、ウルシを使った新しい製品づくりに励んでいる記事がありましたので、ご紹介しましょう。

■BANP(友光だんご 様インタビュー記事)
「自由は怖くて面白い」漆100%のコップを作る塗師の実験的職人道

■ さんち 〜工芸と探訪〜
27歳で東京の会社員から飛騨の漆職人に転職した、彼女の選択

使って、利用して、ウルシに親しむ

私たちの身の回りでも、ウルシ製品を見る事が出来ます。文化財の仏像などは接着部分の脇役ですが修復にも使われています。また漆器に触れる機会は少なくなっていますが、お気に入りの品を一品購入して使って触れるのも良いと思います。

■器のご紹介

■ 黒色の上塗り用の漆です。落ち着いた艶が特長です。

ウルシを育ててみる

かぶれなど人によりありますが、紅葉が綺麗です。育ててみるのも楽しいですね。

最後に

日本の文化であるウルシ塗。なかなか私たちの生活から遠のいているのではないでしょうか。まずは1つでも器などお気に入りのものを購入して使ってみて、親しんでほしいと思います。

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