可愛らしい花のイヌサフラン。 秋に開花するアヤメ科のサフランと名前も花の形も似ているのですが、全く別の植物です。愛でるだけなら問題ありませんが、山菜家、やパエリア自作派は注意が必要です。
植物の特徴
秋に開花するユリ科の球根植物です。球根を机の上に置いておくだけで花が咲くので園芸植物として人気があります。露地や鉢栽培では、開花後に葉をのばして 6 月頃に葉は枯れます。花色は一般に淡紫紅色で白色や濃い藤色やなども栽培されています。生薬名として種子を「コルヒクム子」、球根を「コルヒクム根」として痛風鎮痛薬として利用されますが、全ての部位に強毒のアルカロイドを含んでいますので、素人が加工するととても危険です。
イヌサフランの葉をギボウシやギョウジャニンニクと誤食したり、サフランの仲間と勘違いして、めしべを採って食用の着色などに謝って利用して嘔吐や下痢、重症の場合は死亡する例があります。
参考:行者ニンニクとイヌサフラン (東京都薬用植物園 ホームページ)
参考:自然毒のリスクプロファイル イヌサフラン概要版(厚生労働省)
また、クロッカスにも容姿が似ているので、それぞれの特徴をまとめてみました。
ネット界隈を見渡すと、クロッカス(有毒)やイヌサフラン(強毒)を誤って「サフラン」として発信しているものを見かける事があります。誤解が誤解を生む連鎖は怖いですね。当ブログではサフランの見分け方をしっかりと纏めていますので、ブログ検索欄に「サフラン」と入力してご覧になってください。
そうはいっても、育てて楽しみましょう。
コルチカムは耐寒性・耐暑性ともに強いのが特徴です。冬は防寒がなくても戸外で育てることはできますが、土が凍結する場合は株元に腐葉土をかぶせる等防寒対策を取ってください。生育に適した温度は15℃〜20℃になります。
おしまいに
ほぼすべての種が秋咲きで、ピンクや藤色の花を咲かせるのがほとんどですが、白い花を咲かせるもの、春に黄色い花を咲かせるものなど多種多様になってきました。
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