春に花芽付きのキンリョウヘンを購入し、待ち箱を設置してニホンミツバチを呼び込むのは、スリルもあり楽しいです。庭が広い家や、畑に設置すればご近所の迷惑にもなりませんので、ぜひともトライしてみましょう。
待ち箱は自作も出来ますが通販で購入する事ができますので、便利になりました。
ニホンミツバチの生態
ハチというと刺されるので怖いと思われている方も多いと思いますが、西洋ミツバチと比べて、日本ミツバチは性格がおとなしく攻撃的な事をしなければ刺される事は少ないです。
女王バチは卵を産み続けます。働きバチは口からロウを出して巣を作り、幼虫の世話や巣の掃除、蜜を採取します。また外敵と戦って巣を守ります。それぞれの役割分担は、生まれからの時間で変わってゆきます。この1女王を中心とした生活圏を「1群」と呼びます。
春になると、オスバチと新しい女王が生まれ2群になります。
ある日に母親の女王蜂は、働き蜂の約半数を連れて巣を飛び出し、新たな場所に巣を作ります。これを分蜂と呼びます。
分蜂時は嵐のようなものすごい羽音がして、一斉に移動するときにはまるで雲のようです。このタイミングでキンリョウヘンの開花により、自分の待ち箱にその群を呼び込むのです。
新女王とオスバチは上空に飛び立ち、交尾した後、元の巣に戻り、生活を始めます。
女王バチ
女王蜂は働き蜂よりも大きく長い体です。群れに1匹しかいません。
寿命は約3年で、働き蜂や雄蜂と比べるとはるかに長いです。
1日に1000個以上の卵を産むことができます。分蜂時に女王蜂は、複数の雄蜂と交尾して、新しい場所で英巣する場所へ向かいます。
働きバチ
ロイアルゼリーを与えられなかったメスが全て働きバチになります。
働き蜂の寿命は時期にもよりますが、数ヶ月程度しかありません。また、1匹の働きバチが一生のうちで運んでくる蜜は、スプン1杯と言われています。
羽化した直後は、巣の掃除や育児を行います。日数が経過するごとに巣作りやハチミツの製造など行うようになり、最後には巣箱の外に出て花の蜜を集める仕事を行います。
オスバチ
新女王が生まれる春にたくさん生まれてきます。
複眼が通常の働きバチより大きいので直ぐに見分けがつきます。
オスは、別の群れの女王と交尾するだけの為に生まれてきます。交尾するとすぐに死んでしまいます。群れを外敵から守ることも無くエサは働き蜂に食べさせてもらいます。
巣箱の手入れ
巣箱の内を定期的に検査する必要があります(内検)。
【働きバチの規模や勢いを観察する】
巣箱の設置場所が雨風に当たりすぎの所だと、女王といっしょに働きバチが逃げ出してもぬけの空になってしまう事もあります。
秋が近くなると、越冬用の働きバチが生まれ来ます。巣全体の働きバチの数は少なくなり静かになります。冬でも暖かい時間を狙って耳を澄ますと僅かい羽音が聞こえる事があります。
【オスバチの状況を把握しよう】
オスバチの発生は2つの事柄が考えられます。
1つは、分蜂のために新しい女王と結婚するために生まれてきます。もう1つは、女王が寿命で死んでしまい女王が居ない状況になった時です。
この場合は、働きバチが卵を産むようになり無精卵のためオスバチが誕生してきます。分蜂期ではないのに、オスバチが沢山発生してきた場合はこの原因が疑われます。
【掃除】
ミツバチは巣をどんどん大きくしていきながら、不要なものは下に落としてゆきます。鉢箱の底には、それらの物が次第に増えてゆきます。
ご家庭では出来るだけ、数日おきに小さなホウキなどで掃き捨ててください。
実はこの不要物や巣そのものを食糧とする「巣虫」とよばれる、ガがやってきます。
掃除を怠ると、どんどん増えますし巣箱をよじ登って巣を食べ始めます。
ハチもある程度、巣の掃除をしながらそのような害虫を外に運びだす事もありますがスムシの数や働きバチの健康度によっては自然にしてゆくと虫に占領されてしまう事もあります。
外敵をやっつける、命を懸けた蜂球
はちみつの匂いに誘われて、盗蜜目的でセイヨウミツバチや他群のニホンミツバチが襲いにくる場合や、肉食のスズメバチ類が働き蜂を捕まえて連れ去ったり、殺したり、巣の中に侵入して幼虫を連れ去ったりします。
- 振身行動: 多くのハチたちが入り口に出て、足をふんばって激しく腹部を振る。 各ハチは同期した動き方をする。
- 発音行動 : 集団で”シャー“というように聞こえる音を発する。
- ハタキ行動 : 羽を振って、敵をはらい落とす。
- 蜂球形成 : 蜂球の中に捕食者であるスズメバチを包み込み捕食者を殺す 。
4番目の戦い方が有名で、包み込んで内部温度を上昇させてスズメバチを殺してしまいます。
箱の種類(重箱)と置き場所
分蜂前に適当な 営巣敵地をハチは捜しています。 探索蜂 と呼ばれ、花とは全く関係の無い所で右に左にゆらゆらと飛び交っているのを目撃することがあります。
この探索蜂が良く見かけられる場所として、大きな樹木の根元や人家の壁面にある節穴、こういった場所が適していると言われています。
採蜜の楽しみ
内検してある程度巣が大きくなったら、軍手をしてからそっと蓋を開けてパン切り包丁などで巣を切って、蜜を採ってみましょう。
待ち箱のご紹介
日曜大工で作成するのも楽しいですが、経験豊富な業者がいろいろな対策を施した重箱を購入するのがおすすめです。ここにご紹介しているのは「セイヨウミツバチ」向けです。※現在、ニホンミツバチ向けのいわゆる「重箱」の販売業者が見当たりません。
女王付きも販売されている!
高価ですが、生きている女王と働きバチセットで入手する事もできます。
予約販売です。ただしこの商品は「セイヨウミツバチ」です。
■ ミツバチは煙に弱いです。みつばちが騒いでいるとき、このクンエン器で煙をかけると、しばらくの間おとなしくなります。蜜蜂の箱の中を観察するときなどには必須アイテムです。麻布または新聞紙などに火をつけ、クンエン器の中にまるめて入れ、クンエン器後部のふいごで空気を送り込んで煙を出します。(ステンレス製)
■ 初心者でも比較的ミツバチに刺されにくく、装着したままで、飲み物やタバコを吸う事ができます。 帽子をかぶった上から、装着するとよいでしょう。
最後に
待ち箱や日本ミツバチの生態などをご紹介しました。
本記事をお読みになり、基礎知識を付けたうえで様々なネットや本、DVDなどで調べながらハチを飼うと良いと思います。
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