果実の奇形など多くの農作物で発生が報告されており、商品価値を下げてしまうため、その防除が経済的に重要とされています。しかしその形や奇抜さが、園芸植物の分野では独自の鑑賞価値を見出される場合があり、販売もされています。さぁ、それらを見てみましょう。
「石化」、「帯化」が発生する植物とは?
石化・帯化は、分裂組織の突然変異や遺伝的な原因のほか、最近の感染や昆虫、ダニなどによる傷害を受けることで生じると言われています。通常は独立した茎や葉、花序などの器官が、複数癒着して扁平な形状になります。
エンドウ、タバコ、ジャガイモ、イチゴ、アスパラガス、トウモロコなどの農作物の他にも、サボテンやシダ類にも発生します。
また、ケイトウのように、もともとは奇形として生じた花の帯化が遺伝的に固定され、種の特徴となっている場合もあります。
似ているものに「虫コブ」があります。寄生した虫が出す刺激に反応し、植物の一部が異常成長してできるものであり、植物に寄生することでできる部分を示します。
観賞用に栽培される、石化植物
■カネノナルキ
「ゴーラム」は昔から親しまれている「金のなる木」の枝変わり品種。 その奇妙な葉の形は、一度見たら忘れられないくらいユニークです。
■オノエヤナギ
「セッカヤナギ(石化柳)」、別名「ジャリュウヤナギ(蛇竜柳)」は、茎が石化します。茎の一部が枯れ込んで生長が止まり、ほかはそのまま生長するため、曲がりくねることが多い。いけばな花材として切り枝が花屋さんに出回ります。
■エニシダ
「石化エニシダ」は、エニシダの先端が石化したものです。
■スギ
「石化スギ」は杉の変種で、葉が帯化状やケイトウのようになります。海外では「石化スギ」が珍重されているそうです。
■ヒノキ
「石化ヒノキ」または「雲竜ヒノキ」とも呼ばれます。
■シノブ
「石化シノブ」は、根茎が石化に変化したもので、普通種より珍重されます。
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