日本人の心に染みる、ヒガンバナ(リコリス、彼岸花)

品種のご紹介

日本全国の道端や田んぼのあぜなどに群生し、秋の彼岸のころに、花茎の先に強く反り返った鮮やかな赤い花だけが咲く、とても目立ちそして連なって咲くと荘厳な風景となります。最近は赤だけではなく、白や橙色のリコリスも出回っています。「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ)とも呼ばれます。

彼岸花の特徴は?

ヒガンバナ科ヒガンバナ属で、中国原産の多年生草本です。
路辺や畔、墓地、堤防などの日当たりの良い場所に生えていることが多いです。

秋の彼岸(9月中旬)ごろに、葉より先に地中から花茎を出して花を放射状(輪状)に数個つけて咲きます。花後に花茎がなくなると(10月ごろ)葉が伸び出します。線形で濃緑色で光沢があり、中脈と葉の裏側が白っぽいのが特徴です。緑を保ったまま冬を越し、ほかの植物が葉を茂りだす初夏(4 ~ 6月ころ)に葉を枯らして、地上部は見えなくなります。

ラッキョウのような球根が地下に埋まっており、外皮が黒く、下方にやや太い白いひげ根を出します。強い毒性がある有毒植物ですが、かつて救荒作物として鱗茎のデンプンを毒抜き(摩り下ろし、長時間水にさらす等)して食べられていた時がありました。

彼岸花は種子作らない三倍体のため、種を持つ植物と違って自ら生育地を広げる術は「分球」以外にないため、人の手が一切入らないような場所に、突然育つことが出来ません。そのため、民家の無い所にヒガンバナが咲いていた場合は、過去にその場所で人間が生活していた場所である可能性が高いと言えます。

赤だけではなく、白や、オレンジ色のリコリスもある

リコリス・ラディアータ(Lycoris radiata)という赤い花を咲せるのが一般的ですが、白花彼岸花(リコリス・アルビフローラ)や、黄色のショウキラン(ショウキズイセン)などがあります。白花彼岸花は株により花の色に差があり、黄色みを帯びたものや赤みを帯びたものなどがあります。

育て方

水はけの良い土ならなんでも育ちます。鉢植えでしたらホームセンター等で購入できる草花用培養土で十分です。植え付け時期は、6月の初旬から8月の終旬ごろまでです。ヒガンバナを地植えする場合は、球根ふたつ分ほどの間隔を空けて植え付けて下さい。

4月から6月頃に土を掘って、過密状態の球根から増えてきた子球を離して、増やしていきます。植えてから、花を咲かせるまでは2年から3年かかります。

■リコリス・スプリンゲリア
中国雲南省原産で、早咲きの品種です。
開花期は関西地方では8月下旬~9月下旬。「ムラサキキツネノカミソリ」とも呼ばれ、花色はピンクですが、花びらの先が青く染まります。

■リコリス・サンギネア
本州以西に分布する、日本原産のリコリスです。ヒガンバナより早く開花し、1本の花茎に数輪が着きます。

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